プライバシー重視の検索エンジン「DuckDuckGo」、カナダの年金基金VCから1000万ドルを調達

プライバシー重視の検索エンジン、DuckDuckGoは、Googleを始めとする監視エンジンの代替手段を提供している。このほどカナダの年金基金OMERS(カナダ・オンタリオ州公務員年金基金)のVC部門から1000万ドルを新たに資金調達した。

10歳になるこの会社にとって、これがまだ2度目の調達ラウンドだ。 Crunchbaseによると、遠く2011年にVCから300万ドル集めたのが最後だ。

OMERS Venturesはこの投資を発表したブログ記事で、この5年間にプライバシーとセキュリティーに関する不安が「市民の意識の中で浮上してきた」ことを挙げ、各国政府が国民の要求とデータ漏洩問題を受けて「実際に行動を起こし始めている」ことを、欧州連合の新たなプライバシーのフレームワークであるGDPRを例にあげて指摘した。

その信念に基づき、同ファンドはDuckDuckGoへの投資を積極的に推進してきた。同社は2014年以来(非追跡型広告で)利益を出し続けているので、現金注入を必要としていない。しかしOMERSは粘り強く交渉して、ファウンダーのGabriel Weibergに、DDGの成長目標の達成を支援するための資金を受け取るよう説得した。カナダ(ファンドの拠点)を含む海外に特に力を入れる。

プライバシー・セキュリティー製品の提供は、DDGが資金調達したもうひとつの理由だ。

今年の始め、同社は中心サービスであるプライベート検索(追跡しない)から手を広げ、追跡ブロッカーその他のプライバシー・セキュリティーツール製品を加えて、ウェブユーザーのプライバシーを守るためのバンドル商品を作った。

WeinbergはBloombergのインタビューで、OMERSと目指しているのは「彼らが世界的年金ファンドであるようにこれを世界に広める方法を見つけること」と言った。

Weinbergはさらに詳しい計画をTechCrunchに話した。「われわれはすでにグローバルだが(2008年の開業以来ずっと)、これからはより特定された市場に力を入れようとしている。雇用に関しては、われわれの検索エンジンの結果を地元市場に合わせ、DuckDuckGoの販売に使っているチャンネルを拡大し、さらにグローバルにしていく。

このため、国際的スタッフの雇用はDDGの成長推進にとって大きな部分を占める。

「われわれはオールインワン・プライバシー・ソリューション(今年始めに提供開始した商品)の販売とマーケティングを続けるためのスタッフ獲得に力を入れ、特に米国外に焦点を当てる」と彼は話した。

「米国以外でわれわれのトップクラスの市場(検索トラフィックによる)は、ドイツ、英国、フランス、カナダたが、相対的検索シェアで見るとほとんどの国でで大幅な成長と存在感を見せている。」

Weinbergばさらに、OMERSは「プライバシーに関して深い関心と投資テーマを持っており、今重大な転換点を迎えていると考えている」と語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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