プロ仕様の撮影環境を提供するYouTube Space Tokyoが明日オープン

本日、東京・六本木ヒルズにてGoogleがYouTube Space Tokyoのオープンを発表した。YouTube SpaceとはYouTubeで活動するクリエイター向けの施設で、撮影・レコーディングスタジオ、編集室やグリーンスクリーンといった設備が整っている。設備に加え、技術的なアドバイスやセミナーといったトレーニングも受けられる。

YouTube Space自体は昨年7月にロンドン、11月にロサンゼルスと海外ではすでにオープンしているが、アジアでは東京が初めての試みとなる。日本を選んだ理由としては、2012年の間に日本におけるYouTubeパートナーの数は前年比で3倍となっていることが関係しているのだろう。

これにはスマートフォンの普及が日本でも進んできたこともひとつの要因といえる。というのも、日本人は世界に比べて圧倒的にモバイルからYouTubeを閲覧するからだ。昨年9月の発表では世界のYouTube動画再生のうちモバイルからの再生は25%を占めることに対し、日本では約50%がモバイルで再生されていた。この割合は世界でも最高値であり、半年近く経過した今ではもっと大きな割合をモバイルが占めていることだろう。そのため、スマートフォンが普及すればするほどYouTubeのユーザーは増えるだろう。

こうした背景もあり、Googleは日本のクリエイターに良い環境を提供し、質の高い動画を作ってもらうためにYouTube Space Tokyoをオープンした。気になる施設を使う条件だが、YouTube パートナープログラムに申し込み(YouTube チャンネルページからワンクリックだ)、その後、YouTubeスタッフとのスケジュールなどの調整を行うだけだ。後は動画を作ってYouTube上で公開する。料金はもちろん、無料だ。

記者会見ではYouTubeチャンネルで2万人の購読者を持つ「劇団スカッシュ」が登場し、実際に彼らがYouTube Space Tokyoで撮影し、編集した動画が放送された。この動画のセットやエフェクト、音声などはかなり本格的なもので質が高く感じられた。Spaceには技術者も居るので、専門的な機器の使い方も教えてもらえ、スキルアップにも役立つそうだ。

すでにSpaceをオープンしているロンドンでは購読者10万人のチャンネルがSpaceを使い始めてからは100万人にまで成長した事例もあるそうなので、YouTubeで人気チャンネルを作りたいユーザーには嬉しい施設だろう。

なお、YouTube Space Tokyoは六本木ヒルズ内に用意されており、明日から利用できる。以下に、施設内の写真をいくつか掲載する。

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TechCrunch Japan

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