ヘルスケアスタートアップのFiNCがFitbitと提携、ライフログデータの自動転送が可能に

左からFitbit副社長兼アジア・パシフィック責任者Steve Morley氏、Table for two事業開発マネージャー 張一華氏、FiNC代表取締役社長 溝口勇児氏

左からFitbit副社長兼アジア・パシフィック責任者Steve Morley氏、TABLE FOR TWO事業開発マネージャー 張一華氏、FiNC代表取締役社長 溝口勇児氏

法人向けウェルネス経営ソリューションなどを手掛けるFiNCは7月26日、フィットネス用ウェアラブルデバイス大手のFitbitとの提携を発表した。これまで手動で入力していた活動量や睡眠時間などのデータの自動入力を可能とし、FiNCサービスにおけるユーザーの継続意欲の向上を狙う。

FiNCはこれまで、法人向けウェルネスサービス「FiNCプラス」や、企業の人事・労務向け健康データ分析マネジメントツール「FiNCインサイト」を通じ、従業員の心身の健康データを収集し分析。従業員の健康リスクの見える化や、個々人に最適な生活習慣改善に役立てる”ウェルネス経営ソリューション”を提供してきた。

FiNCが掲げる“ウェルネス経営”は“健康経営”に似た意味合いだが、FiNC代表取締役社長の溝口氏は「健康経営は身体だけに焦点を当てているイメージが強い」として、「心」にもフォーカスする意味を込めて、ウェルネス経営という言葉を2012年の創業時から使い続けていると語る。

心身の不調による従業員の離職・休職者の増加や生産性の低下。そして健保組合の財政悪化は企業にとってコスト要因になっているといい、FiNCはデータとソリューションによってこれらの問題の解決するとしている。人工知能(FiNC AI)を活用することで、トレーナーや栄養士を雇うよりも低コストなソリューションを実現したという。

ウェアラブル連携でユーザーの継続率向上狙う

今回の提携により、Fitbitのウェアラブルデバイスで測定した睡眠・心拍・歩数などのライフログデータを、FiNCサービスに自動転送できるようになる。手動でライフログを入力する手間を省くことで、FiNCサービスのユーザー継続率向上が狙えるというわけだ。

連携可能デバイスはFitbit Blaze、Fitbit Charge HRの2機種

連携可能デバイスはFitbit Blaze、Fitbit Charge HRの2機種

連携可能なデバイスはFitbit Blaze、Fitbit Charge HRの2機種。対応サービスはFiNCプラス、FiNCダイエット家庭教師、FiNCウェルネス家庭教師、ボディデザインプログラムの4つ。連携に追加費用は発生しないが、別途Fitbitのデバイス代が必要になる。

なおフィットネス用ウェアラブルデバイスを開発しているメーカーは、FitbitのほかにもWithingsやMisfitなど複数ある。提携先にFitbitを選んだ理由についてFiNC ライフサイエンス事業部 グローバル対応業務担当のLucas Hannell氏は「世界で一番売れているのがFitbit、信頼性があり、かつ一番リーチがあると判断した」と説明。また今後については、「我々はデータの会社なので、Fitbit以外のメーカーを連携対象に加えることもありえる」とした。

またFiNCはFitbitのほか、開発途上国支援を行う特定非営利法人のTABLE FOR TWOとも提携。FiNCプラス導入企業の従業員の減量分を450g=20円として換算し、相当する金額を開発途上国の給食支援プログラムに寄付する取り組みを発表した。

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TechCrunch Japan

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