ホテルの現代化を進めるスタートアップAavGo

ルームサービスを頼むことは面倒なことだが、世界のどこでも最初に出会う問題の1つだ。とはいえ、それは技術的に言えば、単にホテル業界が遅れているからというだけの話だ。

スタートアップAavGoは、この問題を、スマートフォンやタブレットを使うことでホテルスタッフ同士だけでなく、ホテルゲストがホテルスタッフと簡単にコミュニケーションを取れるようにして、解決しようとしている。そうすればルームサービスのための電話やフロントデスクまで出向く必要がなくなる。

この1週間のうちに、AavGoによるホテルゲストとホテルスタッフ間のコミュニケーションサービスが、5つのホテルブランドで正式に開始された。これまでは、AavGoはスタッフ間のコミュニケーションのみを可能にしていた。すなわちこれからは、The Row HotelHotel Strataのようなホテルのゲストたちは、AavGoが提供するタブレットを部屋で利用して、食べ物や、歯磨き粉、追加の枕や修理などのリクエストを行なうことができる。

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「私たちは電話の必要性を無くそうとしているのです」と、AavGoの共同創業者であるMrunal Desaiは私に語った。「そして、フロントデスクに行く必要性も同様に無くしたいのです。もし宿泊客がホテルからの何らかのサービスを必要とする場合には、タブレットからリクエストすることが可能です」。

ホテル側で必要とされるものは、Wi-Fi程度だ。この分野での競合相手の1つはALICEだ。これはホテルを単一プラットフォーム上で運営するシステムを提供し、Triumph Hotels、Sixty Hotels、そしてNylo Hotelsのようなホテルを取り込んでいる。先の1月にALICEはExpediaの主導したシリーズAラウンドで950万ドルの資金を調達して、総資金調達額を1300万ドルとしている。

2つのサービスは極めて似通っているが、AavGoは単なるお洒落なブティックホテル以上のものに焦点を当てているという点が、重要な差別化要因だとDesaiは語る。もう1つの大きな違いは、AavGoが室内用のタブレットを提供するという点だ。

AavGoの課金は1部屋あたり1ヶ月5ドルで、今年末までに50のホテルでの運用を目指している。そして2018年12月までには、500ホテルに導入することが目標だ。2,3ヶ月前に、AavGoは100万ドルの資金調達を完了した。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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