ボルボの次世代電動フラッグシップSUVはLuminarのLiDARセンサーが標準装備に

Volvo Cars(ボルボ・カー)とLuminar Technologies(ルミナー・テクノロジーズ)が、パートナーシップをさらに強化する。両社は米国時間6月24日、Luminarの自動運転機能スタック(LiDARセンサーや独自の認識システムを含むハードウェアとソフトウェアの組み合わせ)が、2022年にボルボから登場する電動フラッグシップSUVに標準で搭載されることを発表した。

Luminarは2020年5月にボルボとの生産契約を発表したが、その時点ではLuminarのスタックは、ボルボの車両に追加費用が必要なオプションとして用意される予定だった。しかし、今回の発表によると、ボルボの「XC90」の後継モデルに全車標準で装備されることになったという。

ただし、Highway Pilot(ハイウェイ・パイロット)と呼ばれる機能を利用したい場合は、追加料金を支払う必要がある。この機能は、高速道路の認可された区間・条件下で自動運転走行が可能になるというもので、ドライバーは完全に運転から開放される。現在の路上で一般的に実用化されている多くのシステムのように、人間の運転者が監視を続ける必要さえなくなるという。市販の自動運転システムでは最も高性能なものになるが、顧客がこの機能を望むのであれば、そのための費用を払わなければならない。

この機能は、安全な状況でなおかつ合法的に使用が許可された区間であることが確認された場合のみ作動すると、両社はプレスリリースで述べている。顧客が追加料金を払わずに使える機能は、自動緊急ブレーキや車線逸脱防止支援など、自動車事故の最も一般的な原因を未然に防ぐための一連の安全機能だ。

画像クレジット:Volvo Cars

今回発表されたボルボとの契約は、Luminarにとって大きな恩恵となることは間違いない。ボルボの車両に標準で装備されるとなれば、生産量が増加することに加えて、全車両を合わせると何万キロメートルもの走行距離をシステムが経験することになるため、自動運転スタックにフィードバックできる貴重なデータを得ることができる。また、このシステムは無線でのアップデートが可能なので、時間の経過とともにシステムが「賢く」なっていくため、ドライバーにとっても恩恵がある。

ボルボはまだ、Highway Pilotの価格を明らかにしていない。また、新車購入時にオプション料金として払うことになるのか、それとも月額使用料を払う必要があるのかも、現時点では不明だ。しかしボルボによれば、完全自動運転が実現する際には、すべての車両が「ハードウェア的には準備が整った状態」になっているとのことだ。

関連記事
ボルボとダイムラートラックが長距離トラック向け水素燃料電池生産で提携、合弁会社Cellcentric設立
自動運転技術のオーロラがボルボと提携、高速道路を自律走行するトラックの製造を目指す
エアバスとLuminarが提携を発表、LiDARを使い航空機の自動操縦や安全向上を目指す

カテゴリー:モビリティ
タグ:Volvo CarsLuminar TechnologiesLiDAR自動運転電気自動車

画像クレジット:Volvo Cars

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。