ポール・グレアム、「Y Combinatorの37社の買収額、評価額は4000万ドル以上」とツイート―全511社の総額は115億ドル

Y Combinatorの共同ファウンダー、ポール・グレアムはそのスタートアップの評価額について興味ある数字をツイートした。グレアムによれば、Y Combinatorはこれまでに511のスタートアップに投資してきたが、そのうち37社は4000万ドル以上ですでに買収されたか、あるいは4000万ドル以上の評価額を受けているという。「511社の買収額ないし評価額の合計は115億ドルに上る」とグレアムは自身の Hacker Newsに書いている。

このツイートを読んでまず気になったのはその37社とはどれとどれだろうということだった。グレアムによればRap Geniusはリストに含まれているそうだ。また買収金額や資金調達ラウンドでの評価額が公表されているYCの卒業生もたくさんある。

FacebookはParseを最近8500万ドルで買収したし、Dropboxの評価額は40億ドルと報じられている。HerokuはSalesforceに2億ドル以上で買収された。Airbnbの評価額は25億ドル、Looptの買収額は4300万ドル、 ZyngaのOMGPOPの買収額は1億8000万ドルなどと伝えられる。Cloudkickの買収額は5000万ドル、 AutoDeskのSocialCamの買収額は6000万ドルだったという。

この他に4000万ドル以上のリストに乗っている可能性が高いのは、Stripe、Weebly、Optimizely、Justin.TV、Xobni、Scribd、Hipmunk、Disqusなどだ。

2011年にGrahamは 「YC出身スタートアップのうち25社が買収され、そのうちの5社の買収額が1000万ドル以上だった」と書いた。しかしその記事によると、残りのすべてのスタートアップの価値の合計はトップ5社の買収額の合計より大きいということだった。昨年、YCは380社目のスタートアップをローンチした。YC出身スタートアップが調達したベンチャー資金の総額は10億ドル、平均すると270万ドルとなる。その後、資金調達総額は15億ドルに更新された。New York Timesは最近の記事でY Combinatorのスタートアップの平均価値は2240万ドルだと報じている。

今日のグレアムの発表は興味深い。 単なる評価額にとどまらず、ここ数年以内にY Combinator出身スタートアップからは1社ないし2社の株式上場がありそうだ。読者が4000万ドル以上の価値があると知っているYCスタートアップがあったらコメント欄で知らせていただきたい。

〔日本版〕 Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール(滑川海彦・高橋信夫共訳)が日経BPから出版されている。 『プラネット・グーグル』などで知られるベテラン・ジャーナリストのランダル・ストロスがY Combinatorに半年常駐し、内部からYCを詳細にレポートしたノンフィクションだ。スタートアップ側だけでなく、ポール・グレアム、妻のジェシカ・リビングストン、「モリス・ワーム」で有名なロバート・モリスらパートナー側の人間像も詳しく書き込まれており、「スタートアップを成功させるシリコンバレー文化」がバーチャル体験できる。機会があれば手に取ってご覧いただきたい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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