マイクロソフト、ハラスメント対策のためAltspaceVRのソーシャルハブをシャットダウン

Microsoft(マイクロソフト)は、AltspaceVRアプリ内でのハラスメント対策としていくつかの変更を加えると発表した。同社は米国時間2月16日付けで「Campfire」「News」「Entertainment Commons」のソーシャルスペースを削除した。これらのスペースは、AltspaceVRのユーザーが自由に集まり、互いに語り合うことができるハブだった。しかし、その自由度の高さゆえに、ハラスメントの問題が絶えなかった。

AltspaceVRのSafety Bubble(セーフティーバブル)機能は、デフォルトですべてのユーザーにとってオンになっている。これは、自分のアバターのパーソナルスペースに他の人が入ってこないようにバリアを作るものだ。また大事な点として、Microsoftによると、同アプリではこれから、新しい参加者が初めてイベントに参加したときに自動的にミュートになるとのこと。また、これらの変更を補完するために、モデレーションを強化し、イベントコンテンツの評価を改善することを同社は約束している。

今後数週間のうちに、Microsoftは、AltspaceVRにアクセスするために、Microsoftアカウントの使用を義務付けるという。その結果、保護者は同社のファミリーセーフティ機能を利用して、子どもがアプリ内で過ごせる時間を制限できるようになる。

MicrosoftのMR部門責任者であるAlex Kipman(アレックス・キップマン)氏は、次のように述べている。「AltspaceVRのようなプラットフォームが進化していく中で、既存の体験に目を向け、それが現在および将来のお客様のニーズに適切に応えているかどうかを評価することが重要です。これには、人々が共通の関心事を持つ人々とよりよくつながることを支援すると同時に、彼らがアクセスする空間が不適切な行動やハラスメントから安全であることを保証することも含まれます」。

今回の変更は、他のVRプラットフォームがそれぞれのハラスメント問題に取り組んでいる中で行われた。2月初め、Meta(メタ)はHorizon WorldsPersonal Boundary(パーソナルバウンダリー、境界線)という機能を導入した。これは、AltspaceVRのSafety Bubbleのように、自分のパーソナルスペースに人が入ってくるのを防ぐためのものだ。より広く解釈すれば、今回の変更は、Microsoftが何らかの形でメタバースの開発に取り組んでいることを示しているようにも見える。最近の報道では、同社のMR部門は、Metaのような競合他社にかなりの数の従業員を奪われたといわれている。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Igor Bonifacic(イゴール・ボニファシッチ)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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