マイクロソフトがCortanaをトーンダウン、モバイルアプリ終了へ

Microsoft(マイクロソフト)は今月行われた同社のIgniteカンファレンスで、パーソナル生産性アシスタントCortana(コルタナ)の新たなビジョンを発表した。それは、メールなど日々の生活でもっと便利に使えるようにすることを目指したものであったが、Cortanaを真のSiri、Alexa、Googleアシスタント対抗にするという同社の野望を断念するものだった。そして本日11月18日、もう1つのはしごが外された。マイクロソフトはCortanaのスタンドアロンモバイルアプリを終了すると発表したのだ。

同社はいくつかの地域でiOSおよびAndroidのCortanaサポートを2020年1月31日に終了することを静かに発表した。それ以降Cortanaモバイルアプリのサポートはなくなる。マイクロソフトはMicrosoft Launcherの新しいバージョンを公開する予定で、そこにもCortanaは入っていないと話した。

終了する地域は、英国、オーストラリア、ドイツ、メキシコ、中国、スペイン、カナダ、およびインド。米国の名前はないが、後日サポートがなくなっても驚きではない。CortanaのiOSアプリはApp Storeの生産性アプリランキングで254位にすぎず、Google Playでも145位だ。Sensor Towerの最新データによる。

2020年1月31日以降、ユーザーが作ったリマインダーやリストなどのCortanaコンテンツは、CortanaアプリやMicrosoft Launcherで使えなくなるが、WindowsのCortanaでは引き続き利用できる。また、Cortanaのリマインダー、リスト、およびタスクは最近アップデートされたMicrosoft To Doアプリケーションと自動的に同期し、今後も使用できる。

ここ数年マイクロソフトは、Cortanaの計画を再三後戻りさせてきた。例えばBuild 2018イベントで同社は、CortanaとAlexaの連携を発表した。それはCortanaが音声アシスタントのニーズを自力で満たすだけの力を持っていないことを認めるものだった。そして今年1月、同社のCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、 今やCortanaをAlexaのライバルとは思っていないと語りCortanaベースのスマートスピーカーの計画を終了したことを明らかにした。

「Cortanaは会話形コンピューティングと生産性をすべてのプラットフォームとデバイスにもらたす広大なビジョンの重要な部分である」と同社の広報がTechCrunchに声明で語った。「Cortanaをできる限り便利にするために、生産性アプリのMicrosoft 365との統合を強化し、この進化の一環としてAndroidとiOSのCortanaモバイルアプリのサポートを終了する」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook