マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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マイクロソフトがSurface新製品イベントで発表した「8つの新デバイス」のひとつは、PCでもタブレットでもスマホでもなく、ペンやマウスでもなく、Surfaceなどに貼り付けて使い勝手を向上する「アダプティブキット」でした。

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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中身は触覚で手がかりになるバンプラベル(写真)、特定キーを分かりやすくするキーキャップラベル+アプリケータ、どのケーブルをどのポートに挿すか見やすくするポートラベル、SurfaceのキックスタンドやノートPCなどを開きやすくするオープナーサポート

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キーキャップラベルはこれ。従来から様々な製品が市販されてきた「キートップに貼って特定キーを触覚で分かりやすくする」シールです。

こちらは色分けがない半透明のみ、かわりに○や\など指先で認識しやすい形状を数種類用意します。アプリケータはこのシールをぴったり貼りやすくあわせる補助具。

ただのシールなのでどのキーボードにも、あるいはどんな機器のキーにでも貼れますが、Surfaceアクセサリ扱いなのでサイズがちょうど良いこと、Fキー列などハーフサイズのキー用もあることが利点といえば利点。

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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ポートラベルはこちら。色分けのほか、こちらも触覚でわかる手がかりで数組が用意されています。デバイスを持ち上げて側面を覗いたり、ケーブルを間違った端子に挿そうとして困惑することを防ぐ効果。

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オープナーサポートは、ノートPCの天板やSurfaceのキックスタンドなどを開きやすくするための粘着式フック。指を引っ掛けて開くものと、ストラップを結んで引いて開くものがあります。

あらゆるデバイスが薄くツルツルになってゆくなかで、わずかな窪みに指を引っ掛けて開くことを前提にする製品も増えましたが、誰でも簡単に使えるわけではありません。

Surface Adaptive Kit はマイクロソフトのデバイス部門アクセシビリティ ディレクター Dave Dameの指揮のもと、実際に様々な障碍を持つ人々や団体から意見を募り開発したプロダクト。

ひとつひとつはすでに売っているようなものですが、デバイスメーカーであるマイクロソフトが純正として用意することで、より多くの人が見つけやすく入手性が改善すること、他のツルツルなデバイスのメーカーにもこれくらいは用意して当然と追従するきっかけになる点ですばらしい取り組みです。

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マイクロソフトのアクセシビリティへの取り組みといえば、足でも使える巨大ボタンを備えた Xbox Adaptive Controller は日本でも販売中です。

足でも使えるXbox Adaptiveコントローラ発表。拡張自在なアクセシビリティ製品

単にボタンや十字キーがでかい、床置き対応コントローラというわけではなく、各種のボタンや機能に対して3.5mmアナログ端子をずらりと用意して、市販のさまざまなデバイスを接続できるようにすることで、ユーザーそれぞれに異なるニーズに適応する点が特徴。

マイクロソフトによれば、視聴覚や運動などでさまざまな障碍をもった人は世界で10億人。またいまは無関係と思っていても、ほとんどの人はいずれ何らかの障碍を持つことになります (その前に死ななければ)。

マイクロソフトの最近のマントラ ” to empower every person and every organization on the planet to achieve more. ”、公式訳は「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」が単なるお題目でないこと、「すべての人々」を額面通りのすべてに近づける取り組みがうかがえるプロダクトです。

Surface Adaptive Kit は国内で2022年前半に提供予定。

(Source:法人向け Surface アダプティブ キット – Microsoft Storeマイクロソフト アクセシビリティ ホームEngadget日本版より転載)

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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。