マインドフルネス入門に最適、コロナ禍の不安解消やClubhouse疲れにも有効な瞑想アプリ「Calm」をレビュー

TechCrunch Japan読者の皆さんの中には、コロナ過で日々が不安で眠れない、もしくは最近大流行のClubhouseにハマりすぎて睡眠不足という人も少なくないのではないだろうか。ストレス軽減方法はいくつかあるが、そんな中でも、「今この瞬間に意識を向ける」という概念であるマインドフルネスは、コロナ禍以前から女性を中心に人気であった。スピリチュアルなものに思われがちな瞑想という言葉だが、マサチューセッツ工科大学のJon Kabat-Zinn教授(ジョン・カバット・ジン教授)などが、医学的にもストレス軽減効果があると発表し始めたことで、瞑想やヨガは日常生活に取り入れられてきている。

今回は、そんな瞑想アプリの1つである「Calm」の日本語版がリリースされたので、その体験記をお届けする。

ASMRから内省ツールまで揃う

カリフォルニア発で、メンタルヘルス業界のユニコーンで資金調達も順調なCalmは、190カ国7カ国語で利用可能。日本語版は2020年12月にリリースされた(Android版iOS版)。利用料金は年間6500円だが、現在7日間の無料版でお試し可能だ。

アプリをインストールすると、最初に目的を聞かれ、これに沿った毎日の内省プログラムを提供してくれる。アカウントはメールアドレス、Facebook連携、Apple ID連携で作成可能だ。

トップ画面では、美しい自然風景とともに、早速ヒーリングミュージックが流れる。フッターメニューは5つで、左の画像はマイページのもの。お気に入りに入れた音楽や、本日の内省タスクが並ぶ。

睡眠メニューを選ぶと中央の画像が表示される。雨の音、火の音、電車の音、猫の声、扇風機や洗濯機の音など、YouTubeでもPVが伸びている聴覚や視覚から刺激を受けることで感じる心地よさを意味する「ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)」系の音が並ぶ。その他にも心が落ち着くインストゥルメンタル・ミュージックや、ナレーターが30分から60分程度のショートストーリーを読み聞かせしてくれるスリープストーリーという機能がある。英語版アプリでは俳優のMatthew McConaughey(マシュー・マコノヒー)やKate Winslet(ケイト・ウィンスレット)が寝かしつけてくれることが話題になったが、日本語版アプリでは日本語のストーリーが用意されており、映画の吹き替えを担当する声優やナレーターの語りとともに眠りにつくことができる。

各サウンドは、タイマーをつけて、寝付くまでの指定の時間の間流し続けるということもでき、これが睡眠導入として大変効果的だ。バックグラウンド再生も可能なので、スマートフォンをスリープ状態にしても問題ない。

実際に私はCalmを使った初日に音楽の1つを15分タイマーをかけてベッドに入ったが、最近寝付くまでに2時間程度かかっていたところが、音楽の停止もわからないほどあっさりと眠りにつくことができた。

スリープストーリーの機能でも、言語が入っていると、言葉を聴こうと意識してしまい逆に眠れないのではないかと思っていたが、意外と語りかけられる優しい口調に安堵してしまい、話を聞いていたいのに眠ってしまうという感覚になった。

瞑想メニューでは、最初に選んだ「Calmを使う目的」に沿って、抱える課題を解決するためのレクチャーを受けることができる。ストーリーテリング方式で、自然の音をBGMにしながら、講師が穏やかにストレス解消や不安緩和の方法を教えてくれる。こちらは睡眠導入というよりは、日中や寝る前の瞑想状態やヨガの際に用いるもの。一つ15分程度なので目を閉じてヨガやストレッチをしながら学ぶのにぴったりだ。

Calmの特徴は、何と言っても度々自分の状態を問いかけてくれるところにあるだろう。忙しい日々の中では、自分が疲れていることやどういう精神状態にあるかを振り返る機会もなかなかない。寝る前に、メディテーションミュージックをSpotifyを流すだけでは(ましてや広告に意識を遮られながらでは)ダメで、Calmを開く習慣そのものがマインドフルネスの習慣となっていくということが体験できた。

Clubhouseにそろそろ疲れてきたという読者のみなさんは、時には定番の寝落ちではなく、Calmで穏やかな睡眠についてみてはいかがだろうか。

関連記事:コロナ禍で急成長の瞑想アプリ「Calm」が日本上陸、日本語オリジナルコンテンツも提供開始

カテゴリー:ヘルステック
タグ:メンタルヘルス レビュー

 

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。