マクアケ、ふるさと納税型のクラウドファンディング「Makuakeガバメント」を開始

クラウドファンディングサービスを運営するマクアケは5月15日、地方自治体向けふるさと納税型クラウドファンディング「Makuakeガバメント」を開始すると発表した。

地方自治体の活性化を目的として2008年度から始まった「ふるさと納税」。地方自治体に寄付をすることで、寄付金の一部を所得税や住民税から控除できたり、地域の特産品をお礼としてもらえることなどが特徴だ。しかし、実際には寄付金の使い道ではなく返礼品ばかりが注目されてしまい、自治体のあいだで行き過ぎた返礼品競争が起きてしまうなどの問題が指摘されていた。

そのような背景のなか、マクアケは返礼品ではなく寄付金の使い道にフォーカスしたふるさと納税を目指し、Makuakeガバメントを開始した。

Makuakeガバメントで自治体を支援するユーザーには、通常のふるさと納税と同じく返礼品が贈られるほか、寄付金額の一部が所得税および住民税から控除される。最大の特徴は、Makuakeガバメントでは通常のクラウドファンディングのように、サイト上にあげられたプロジェクト毎に寄付できることだ。そのため、自分が寄付したお金の使い道を明確に知ることができる。

これまでにも、自治体が抱える問題を解決する手法としてクラウドファンディングに着目する例はあり、各自治体が独自にクラウドファンディングを立ち上げる「ガバメントクラウドファンディング」という言葉も生まれた。

しかし、すべての自治体が必ずしもPRやマーケティングに長けているわけではなく、結局は返礼品の魅力を前面に打ち出さざるを得ないという例もあったようだ。そのため、マクアケがこれまでに培ったPR面でのノウハウを自治体が活用できることも、本サービスの魅力の1つだとMakuke取締役の坊垣佳奈氏は話す。

Makuakeガバメントは本日よりサービスリリース。現時点で予定されているプロジェクトは以下の4つだ。坊垣氏によれば、それぞれ数百万円規模がゴールとして設定される見込みだという。

  • 岡山県西粟倉村:河川環境の再生に関するプロジェクト(6月末開始予定)
  • 京都府宇治市:宇治橋通り商店街の活性化に関するプロジェクト(6月初旬開始予定)
  • 北海道下川町:スキージャンプ選手の育成に関するプロジェクト(5月中開始予定)
  • 北海道紋別市:「オホーツクとっかりセンター」の施設改修に関するプロジェクト(6月中開始予定)

マクアケ取締役の坊垣佳奈氏

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TechCrunch Japan

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