マスターカードがセキュリティ評価のスタートアップ、RiskReconを買収

画像クレジット: Roberto Machado Noa / Getty Images

米国時間12月23日、マスターカード は公開データを利用して組織のセキュリティに関する評価を行う、ソルトレイクシティのスタートアップ、RiskRecon(リスクリコン)の買収を発表した。両社は買収価格を公表していない。

マスターカードのような金融サービス企業にとって、顧客のサイバーセキュリティを対策における支援は、徐々に重要性を増している。さらにRiskReconは、顧客が関心を寄せる企業のリスクプロファイルの客観的スコアを提供する。

「AIとデータドリブンの高度な技術の強力な組み合わせによって、RiskReconは既存の戦略と技術を補完してサイバー空間を保護するエキサイティングな機会を提供します」と声明の中で述べているのは、マスターカードのサイバー&インテリジェンス担当役員のAjay Bhalla(アジェイ・バラ)氏だ。

RiskReconのCEOであるKelly White(ケリー・ホワイト)氏は、300万ドルのシードラウンド直後に行われた2016年のインタビューの中で、TechCrunchに対して、同社はインターネット上で容易に利用可能な情報を使い、それらを組み合わせることで企業の全体的なセキュリティリスクを計測するのだと語っている:

RiskReconは、ビジネスの一部をウェブ上で行っている企業に関する情報をウェブ上で入手して活用している。「ウェブサーバーやDNSサーバーを立ち上げた場合、それらはインターネット上でサービスを提供しているので、特に発見しやすい。私たちのシステムは、セキュリテ性能を判断できるように、対象の上で実行されているソフトウェアとバージョン情報を明らかにします」

ホワイト氏は、マスターカードと一緒になることは、より大きな組織の一員になれるということだと考えている。「チームの一員になることで、ソリューションを拡張し、新しい業界や地域の企業が、サイバーセキュリティリスクをより適切に管理するための手段を高じる機会を得ることができます」と今回の声明で述べている。

Crunchbaseのデータによれば、RiskReconは2015年に創業され、これまでに4000万ドル(約44億円)を調達している。投資家にはAccel、Dell Technologies Capital、General Catalyst、そしてF-Prime Capitalが名前を連ねている。

なお同社はこの分野における唯一の企業ではない、2013年に創業し、Crunchbaseのデータでは1億1200万ドル(約123億円)以上を調達している、ニューヨークに本社を置くSecurityScoreCardと競合していることには、注意が必要だ。同社における最後の調達は、6月に行われた5000万ドル(約55億円)だ。

本日の取引は、規制当局の標準的な承認が必要となるものとなるが、手続きは2020年の第1四半期に完了する予定だ。

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TechCrunch Japan

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