マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請

デートとネットワーキングサービスのBumble(バンブル)が株式公開を申請した

IACが所有するTinder(ティンダー)の元共同創業者が創業した同社は、ティッカーシンボル「BMBL」でNASDAQに上場する予定だ。BumbleのIPO計画は2020年12月に最初に報じられた。

BumbleのCEOであるWhitney Wolfe Herd(ホイットニー・ウォルフ・ヘルド)氏は、Bumbleを始める前はTinderの創業チームにいた。同氏はセクハラと差別を理由にTinderを提訴している。これが女性を主役に据えるデートアプリを構築するという同氏の探求心に、少なくともある程度はインスピレーションを与えた。

ウォルフ・ヘルド氏は2019年、Blackstone(ブラックストーン)との30億ドル(約3100億円)の取引の際、後にBumble Groupに改名するMagicLabの指揮をとった。BlackstoneはMagicLabでのハラスメントスキャンダルを受け、Badooの創業者兼CEOのAndrey Andreev(アンドレイ・アンドリーブ)氏を解任した。

Bumbleは新規募集にはうってつけのタイミングで公開市場に向かう。投資家は2020年後半から2021年初めにかけ、ベンチャーキャピタルが投資している会社のIPOを歓迎している。以前はAirbnb、Affirmなどの未公開企業に対し公開企業に投資する投資家が進んで支払いに応じたため、企業の価値が上昇した。それがさらに多くのIPO申請を呼んだ。そうした投資家がいなければマーケットの様相は異なっていたかもしれない。

ここでBumbleのIPO申請書類が読める。TechCrunchは米国時間1月15日遅くにいつものように資料を分析する予定だが、読者の検討開始のためにいくつか重要な数字を抜き出した。

だがその前に1つ。同社の取締役会の構成、つまり70%以上が女性であるということがすでに賞賛を集めている。では数字を見ていこう。

BumbleのIPO申請書類の内容

Bumbleを利用量、財務実績、株主の3つの観点から見てみたい。

利用量の面では、Bumbleは人気がある。ご想像のとおり、出会い系サービスが公開するには必要な規模に達する必要がある。同社は、2020年第3四半期の時点で月間アクティブユーザー(MAU)が4200万だったと主張している。多くの企業は2020年第3四半期の好業績に基づいて公開しようとする。第4四半期と年度の決算終了には時間がかかるためだ。

4200万MAUが、2020年の最初の9カ月間で合計240万の有料ユーザーにつながった。有料ユーザーのMAUに対する割合は、240万を42で割ったものではなく、それよりも小さい割合となる。

数字に目を向けてみる。Bumbleは数年前にその大部分を売却したことを思い出してほしい。同社は所有構造のせいで財務実績が複雑になっている。この点も考慮する。

S-1書類によると、Bumble Inc.はIPO後、「持ち株会社となり、唯一の重要な資産はBumble Holdingsの支配持分になります」とある。では、Bumble Holdingsの実態はどうか。

同社のS-1は微妙な会計処理に溢れているため、自分たちで計算してみることにした。2019年の最初の9カ月で、Bumbleは次の結果をたたき出した。

  • 売上高3億6260万ドル(約380億円)
  • 純利益6860万ドル(約71億円)

そして、2020年同期間の同じベースでの実績を提示するために2つの列を足すと、Bumbleの業績は次のようになる。

  • 売上高4億1660万ドル(約430億円)
  • 純利益マイナス1億1670万ドル(約マイナス120億円)

以降の説明では「所有者・株主に帰属する純(損失)利益」ではなく、収益性を考慮して「純(損失)利益」を使う。「所有者・株主に帰属する純(損失)利益」はさらなる説明を必要とするが、TechCrunchは外観をシンプルにしたい。

Bumbleは2020年の第3四半期にかけて緩やかな成長を遂げ、GAAPベースでは損失が急増したが、調整後利益は同期間に成長した。GAAPから乖離した指標である調整後EBITDAは、2019年の最初の3四半期の8000万ドル(約83億円)から、2020年の同期間は1億830万ドル(約190億円)に拡大した。

調整後の指標に関しては、一般的に急成長中の企業にある程度の寛大さを認めることにやぶさかではない。だが、BumbleのGAAPベースでの損失とEBITDAとのギャップが、我々の思いやりをストレステストにかける。同社はまた、2019年の最初の9カ月はフリーキャッシュフローがプラスだったが、2020年の第1四半期にマイナスに転換した。

Bumbleの第1、第2、第3四半期の売上高を通年の数値に換算すると、2020年の売上高は5億5550万ドル(約580億円)になる。ソフトウェア業界にありがちな控えめなマルチプルを適用しても、同社はすでに議論したように30億ドル(約3100億円)以上の価値があると思われる。

ただ、2020年には急激に採算性が悪化したため、最終的なバリュエーションは低下する可能性がある。申請書類をさらに深く掘り下げれば、さらに深い情報が得られるだろう。

最後に、株主に関しては、同社の申請書類からデータが驚くほど抜かれている。主要株主のセクションは以下のような感じだ。

詳細が判明次第、共有する。それまでは、S-1を楽しくお読みいただきたい。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:BumbleマッチングアプリIPO

画像クレジット:Bumble

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(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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