マルチクラウドコンテナサービスContainerShipがついにKubernetesを積極導入

Disrupt NY 2015でデビューしたContainerShipは、コンテナに収めたアプリケーションの、さまざまなクラウドプラットホーム上へのデプロイメントを支援する。はじめ同社は主に、ユーザーのコンテナを扱うためにDockerと同社独自のコンテナ管理ツールを使用していたが、しかし今日(米国時間7/25)からは、Googleで生まれたコンテナオーケストレーションツールKubernetesをサポートすると発表し、完全な管理を伴う同社のKubernetesプロダクトを立ち上げた。

ContainerShipの協同ファウンダーでCEOのPhil Doughertyは、次のように語る: “最近の5年間でKubernetesの採用が爆発的に増えて、うちとしてもスケジューラーとしてKubernetesを統合せざるをえなくなった。顧客はうちのスケジューラーに満足していたが、KubernetesプロジェクトやCloud Native Computing Foundationなどの団体の最近の動向を見ると、マーケティングの見地からKubernetesを無視できなくなった”。

ContainerShipの初期のフォーカスは、複数のクラウドプロバイダ間の移行を容易にすることにあり、今でもその名残はある。Doughertyが強調するのは、ContainerShipの仕事はユーザーがKubernetesのクラスターをローンチして、同社のロードバランシングやファイヤウォール、ユーザー管理などの機能を使っていく過程を、支援することにある。それらのタスクを容易化するサービスの一環としてContainerShipでは、今のデプロイメントのスナップショットを取り、それを他のデータセンターやクラウドプラットホームに容易に移行できる。ユーザーは同社のマーケットプレースで、新しいサービスを自分たちのクラスターに迅速にインストールできる。

同社自身のコンテナオーケストレーションサービスは今後もサポートを続けるが、Kubernetesの勢いは強力なので、長期的にはKubernetes一本に絞ることもありえる、とDoughertyは語る。

今回の‘Kubernetes化’の一環として、現在社員数10数名のContainerShipはKubernetesを採り入れている他の企業、たとえばCoreOS, Deis, Red Hat(とそのOpenShiftプラットホーム)などと組んで仕事をしていくことになる。Doughertyの考えでは、同社のマルチクラウド技術が彼らのサービスに良く切れる刃を与えるはずだ。

コンテナサポーターの業界は最近ますます混み合ってきたから、ContainerShipも単純に完全な管理が付随するサービスを提供していくだけでなく、料金体系にも工夫をこらそうとしている。これまでは簡単明瞭に、ユーザー一人あたり月額8ドル(あるいは1時間あたり0.011ドル)という料金だったが、これからは評価のための試用をしたいデベロッパーのための無料プランを設ける。その無料プランには、ロードバランシングやファイヤウォール、スナップショット、ロールベースのアクセスコントロールなどが含まれない。またサポートは、従来のオンデマンドサービスに加えて、月額制を導入する。

ContainerShipの完全な管理を伴うKubernetesプロダクトは、料金が年額50000ドルからで、24/7のサポートがつく。コンテナ化するサービスが三つ以下で、サポートは24/5でよいユーザーは、年額25000ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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