マーク・ザッカーバーグ、北京の清華大学で中国語を披露して大反響

マーク・ザッカーバーグはフード付パーカは1着しか持っていないように見えるが、複数の言語が話せることがわかった。今日(米国時間10/23)、Facebookのファウンダーは北京の清華大学でインタビューされたとき、すべて中国語で会話した。聴衆は大喜びだった。もしかすると〔見た目が変わり過ぎたと炎上している〕レネー・ゼルウィガーも自分から注目がそらされる話題ができて喜んだかもしれない。

清華大学経済学・マネジメント大学院(SEM)では最近ザッカーバーグを顧問委員会のメンバーに迎えた(テクノロジー界からはAppleのCEO、ティム・クックとFoxconのファウンダー、CEOのテリー・ゴウも加わっている)。

ザッカーバーグがこの地位に就いたことが中国における彼のビジネス(現在Facebookは中国政府によってブロックされている)にどのくらい役に立つのかは明らかでないが、中国語でQ&Aを披露したことが大勢のファンを作ったことは間違いない。

実はティム・クックが2013年10月にSEMの顧問に就任したとき、iPhoneの中国での販売のライセンスについて交渉中だったが、その後、チャイナ・モバイル(中国移動通信)をキャリヤとして獲得することに成功している。

SEMの顧問委員会のメンバーには非常に有力は政治家も含まれていることは注目すべきだろう。王岐山は中国共産党の中国共産党中央規律検査委員会書記であり習近平主席の腐敗撲滅運動を担う有力な一人だ。陳元は中国人民政治協商会議第12期副主席、馬凱は第4副首相、周小川は中国人民政治協商会議副主席兼中国人民銀行総裁だ。

中国の起業家が西側に進出しようとすれば英語に堪能であることが求められる。Alibabaグループのファウンダー、ジャック・マー(馬雲)は元英語教師で、アメリカではたびたび長時間のインタビューに応じている。しかしアメリカの大物ビジネスパーソンが中国語を学ぶというのはもちろん例がごく少ない。

ザッカーバーグの中国語に対する反応は賛否両論だ。多くの好意的意見があった一方で、彼の中国語は幼児同然だとする声もあった。ある皮肉屋は 聴衆が喝采したのは「犬が二本足で歩くのを見て喜んだようなもの」だと言った。

Daniel Chow (@danielchownet) October 23, 2014は「私自身は中国語が母国語だが、ザックが中国語を話してくれたのは嬉しい」とツイートしているが、 malcolmmoore (@MalcolmMoore) October 23, 2014は「マーク・ザッカーバーグの中国語のおしゃべりは7歳児のレベルにも届かない。私の3歳6ヶ月の娘のほうがずっと流暢だ」と揶揄している。

しかしこういう批判はいささか不公平だ。ザッカーバーグが中国語を習い始めたのはほんの二三年前だし、なるほどいささかたどたどしく、声調もいくつか間違えていたが、ジョークを言えたし質問も正しく理解してすぐに答えていた。また数字を上げて議論できたのも驚きだ。大人になってから外国語を学習した者には数字は難物だ。私は子供時代を台湾で7年過ごしたので、聞き取りはネーティブだし、話す方もそこそこできる。それでも大勢の中国語の普通話ネーティブ・スピーカーの前で話すのは気後れする。ザッカーバーグの努力は大いに賞賛されるべきだと思う。

ザッカーバーグは「中国語を習い始めたのは妻のプリシラの父方の中国語しか話せないお祖母さんと会話できるようになりたかったからだ」と語っているが、今日の進歩をみると、Facebookが中国での地位を確立する助けにも十分になりそうだ。

ザッカーバーグはこのインタビューで、最近世界のいくつかの国を訪問し、インターネットに(そしてFacebookに)もっと多くの人々が参加できるようにするためにはどうすればいいか考えた」と騙り、そのために立ち上げたInternet.orgという運動を紹介した。また聴衆の学生にたいして起業についてもアドバイスを与えた(「社長になりたいというだけで起業してはならない、ビジョンを追求せよ、諦めるな」などいつも口にしていることを繰り返した)。

「Facebookの中国での計画は?」という質問(笑いと喝采が起きた)については「われわれはすでに中国で活動している。中国企業に対して携帯電話での各種のマーケティング・ツールを提供している」と答えた。またまたザッカーバーグは「中国と他国とを結びつける面で役立ちたい」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


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TechCrunch Japan

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