マーケティングデータを一気通貫で分析、「B→Dash」運営のフロムスクラッチが3億円調達

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「収益に一番直結するチャネルがわからない」「複数のツールを使うと手間とコストがかかる」「情報量が多すぎて見づらい」――。

企業のウェブ担当者にありがちな悩みである。コンバージョン数やCPAを追いかけても、本当に収益につながっているか不明。わからないので様々なツールを試してみても、見るべき指標が重複する。重複を解消しようと自分で各レポートを組み合わせるのも大変……というわけだ。

企業のマーケティングプロセス全体のデータを統合し、一気通貫で分析するSaaS型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」は、こうしたウェブ担当者の悩みを解決しようとしている。ウェブ集客から顧客管理までと、マーケティングの入口から出口までを一元管理できる。

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例えば、認知や流入、回遊といった「集客プロセス」は、Google AnalyticsやSiteCatalystで分析できる。しかし、メール配信やコンテンツ、ソーシャルメディアの管理といった「集客後のプロセス」となると、HubspotやMarketo(マルケト)、オラクルのEloqua(エロクア)といったツールが必要になってくる。

最近ではDMPやマーケティングオートメーションが話題だが、これらはGoogle AnalyticsやSiteCatalystのようなアクセス解析ツールとの接続が前提。バラバラのサービスを導入したせいでデータ間の断絶が起き、運用工数やコストだけが増えてしまうケースもあると、B→Dashを運営するフロムスクラッチは指摘する。

これに対してB→Dashは、他のサービスとの連携ではなく、集客から顧客管理までの機能をオールインワンで実装。同社はこれを「プライベートマーケティングプラットフォーム」という独自の名称をつけている。料金はプラットフォーム開発費用が100万円〜、月額課金が50万円〜。昨年11月に販売開始し、デジタルマーケティングに注力するB2C企業を中心に50社が導入している。

15日には、Draper Nexus Venture Partnersと伊藤忠テクノロジーベンチャーズなど4社を割当先として、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表。B→Dashの新規機能開発や組織体制の強化を図る。

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投稿者:

TechCrunch Japan

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