マーケティング向けARコンテンツを気軽に作れるクラウドエディター

スマートフォンの拡張現実(Augmented Reality、AR)には大きな将来性があったが、しかしこれまでは段階的な進化が多くて、新しいプラットホームの登場は少なかった。しかしモバイルのARに注力していたスタートアップにとっては、ユーザーに負担をかけないもっと軽いAR体験を作り出すことが、長年の課題だった。

8th Wallは、モバイルのAR体験を実現する開発ツールを作っており、同社はこれまで1000万ドルあまりの資金を調達して、デベロッパーたちを拡張現実の世界に誘い込もうとしてきた。

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同社は今週、8th WallがホストするAR体験を一般ユーザーが作れるワンストップの制作プラットホームを発表した。それは、同社がこれまでやろうとしていたことの一歩前進であり、顧客がマーケティング目的で気軽にARを作れることが、スマートフォンの単純なARを収益源にするための最適の方法であることの兆候でもある。

そのARエディターは、ウェブで人気のある没入体験のフレームワークであるA-Frameやthree.js、そしてBabylon.jsをサポートしている。「開発プラットホームではあるが、ゲームエンジンのUnityのように重厚なレンダリングを目指すものではなく、とにかく『軽いプロジェクトをどんなスケールでも素早く作る』ことが狙いだ」とCEOのErik Murphy(エリック・マーフィー)氏は語っている。

8th Wallは最初、ARKitやARCoreのような拡張現実プラットホームで、デベロッパーが作るコンテンツができる限り多様な機種をサポートすることを目指していた。今の8th Wallの14名のチームは、スマートフォンからブラウザ上のウェブ体験を呼び出せるWebARと呼ばれる技術にフォーカスしている。

WebARのメリットは、Webアプリケーションと同じだ。ユーザーは何もダウンロードせず、単純にリンクでコンテンツにアクセスできる。企業のマーケティングで行われる消費者や顧客との対話には、最適の方法だ。そんなところでユーザーにアプリのダウンロードを求めたりしたら、まるで笑い話だ。リンクやQRコードでWebへのリンクを提供したほうがずっと人生は楽だ。

8th Wallのクラウドベースの制作およびホスティングプラットホームは、広告/マーケティング代理店や企業のユーザーなどが本日10月31日から利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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