モバイルと人類の関係を描くドキュメンタリー映画。Kickstarterでキャンペーン展開中

私たちがいったいどのようなソフトウェアを生み出し、そしてソフトウェアによりどのような影響を受けているのかということに興味のある人は、きっとこの話にも興味を持つことだろう。2007年のiPhone誕生以来、世界がどのように変わってきたのかを描くドキュメンタリー映画を作ろうとするKickstarterキャンペーンが展開中なのだ。タイトルを「App: The Human Story」という。

作品の完成は2015年の12月予定とまだ先の話だが、ブロガーでありVesperの共同創業者であるJohn Gruber、Instapaperを産んだMarco Arment、そしてMacWorldのJason Snellなど、ソフトウェア界の名だたる大物たちへの取材も行っている。

上に掲載した予告ビデオを見ると、Appleのことばかりであるように思われるかもしれない。それも当然であるようだ。本プロジェクトの共同クリエイターであるJake Schumacherがメールで教えてくれた話によれば、彼自身も、同じく共同クリエイターのJedidiah Hurtも、iOSおよびMacのヘビーユーザーなのだそうだ。「そういうこともあって、iOS関連の話から始めるのが私たちにとってもとっつきやすかったのです」とのこと。予告ビデオを制作したのちには、もちろんAndroid側への取材もすすめており、ビッグネームへのコンタクトを行っているのだそうだ。

また、AndroidについてはAndroid OSの適用範囲の拡大などについても話をまとめていきたいと考えているそうだ。Android、Chrome、およびGoogle Appsを担当するGoogleのバイスプレジデントであるSundar Pichaiについてはぜひとも取り上げたいのだとのこと。またAndroidのユーザーエクスペリエンスについてのディレクターを務めるMatias Duarteにもコンタクトをとっているとのことだ。

人気を集めたインディーゲームに注目して、その背景をドキュメンタリーで綴るIndie Game: The Movieが、やはりクラウドファンディングで資金を獲得した。また、こうした情報ドキュメントは多くの人が興味をもち、実際に手がけている分野でもある。ただ多くの人はブログやポッドキャスティングでの情報発信を行っており、全体をひとつにまとめたものというのはなかなかないのが現状だ。これに着目したのが「App: The Human Story」で、あちこちの情報をかき集めずとも、大事な情報をすべて一箇所から得られるようなコンテンツを生み出したいと考えているのだ。

プロジェクトのサポーターに対しては特別なお返しも用意しているのだそうだ。映画の作成にあたって用意したインタビューは、多く編集段階で捨てられてしまうことになる。300ドル以上を出資した人に対しては、映画で省かれる部分も含めた完全版を提供することにしているとのこと。300ドルはなかなかの高額だ。しかしDaring FireballのTシャツやプレミアムポッドキャストを購入したりしている人にとっては、こちらの「完全版」もかなり魅力的なものかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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