モバイル決済ユーザー、2020年までに半数がApple Payを活用

調査会社Juniper Researchが発表した新たな予測によると、モバイル端末メーカーが提供する非接触型支払いサービスを使ったモバイル決済ユーザー数は、2020年に世界で4億5000万人に達するという。このモバイル決済にはApple PayやSamsung Pay、Google Payその他が含まれる。そして世界の“OEM支払い”ユーザーの2人に1人がApple Payのユーザーであることが見込まれる。これは、サードパーティのアプリではなく、端末メーカーが展開する支払いサービスを利用することを意味している。

今回の予測には、この分野への新規参入、たとえばVersaスマートウォッチのいくつかのエディションで使えるFitbitのFitbit Payなども含まれる。こうした新規参入組のサービスが今後数年間のうちに大きなマーケットシェアを奪うとは考えられない、という分析は特に驚くものではないだろう。

「この分野における今後5年間の成長は引き続き主要OEMプレイヤーのサービスによって独占されることが見込まれる」と、調査結果を執筆したNitin BhasはAppleやGoogle、Samsungの名を挙げて述べている。「加えて、Huawei PayやFitbit Payといったいくつかのマーケットで展開されているサービスがあるが、この点も今回の予測に含まれている」とも言及している。

2020年までに“OEM支払い”による決済額は3000億ドルに達し、店頭での非接触決済の15%を占めると見込まれる。

しかしながら、非接触決済マーケットの主流はモバイルウォレットではなく、カードだ。非接触カードによる支払いは中国を含む一部のアジアでポピュラーで、中国は世界の非接触決済の55%を占めている。店頭での非接触決済は2029年までに2兆ドルに達する見込みで、これは店頭決済の15%に相当する。

注目すべきは、2018年に初めて非接触決済が1兆ドルを超えると見込まれていることだろう。この達成は予測より1年早い。

一方で、Juniperはモバイル決済を使ったチケットの購入が、北米を中心に、そして中国を含む一部のアジアで2022年までに100億回近く行われると予測する。

今回のレポートで興味深いのは、世界のスマホ市場を独占しているのはiPhoneではなくAndroid携帯であるにもかかわらず、Apple Payが多くのユーザーを獲得すると予測していることだ。Android携帯の世界展開規模は、Googleの通信会社とのパートナーシップやAndroid携帯の低価格によるところが大きく、こうした点は発展途上国での市場開拓にも寄与している。いくつかの調査会社によると、世界のスマホ市場でAndroid携帯はいまや85〜86%を占め、一方のAppleのモバイル端末は14〜15%にすぎない。

もちろん、Androidにはアップルにないような問題を抱える。それは、Google Pay(旧Andoroid Pay)と競合する独自のモバイルウォレットを展開するSamsungのようなOEMの存在だ。これが全てではないにせよ、こうした分裂により、近い将来、非接触モバイル決済ユーザーの2人に1人がApple Payを活用する、ということになる。

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(翻訳:Mizoguchi)