ラズベリーパイ財団がRaspberry Pi 4を発表

Raspberry Pi 4が来た。すさまじいアップグレードだ。これまでの噂では、Raspberry Piの大きなアップグレードには、まだしばらくかかりそうだということだったが、それが米国時間6月23日から入手可能となった。

物理的なデザインについては、このRaspberry Pi 4 Model Bは、これまでのフラグシップ、Raspberry Pi 3 Model B+に、かなり似ている。ちょうど一揃いのトランプほどの大きさのシングルボードコンピュータで、コネクターがいっぱい付いている、という点も同じだ。

しかし、すべてが更新されている。SoC(システムオンチップ)も速くなった。プロセッサとしては、Cortex-A72アーキテクチャ(64ビットのクアッドコアARMv8が1.5GHzで動作する)を採用した。H.265のハードウェアビデオデコーディングもサポートしている。

これまでのRaspberry Piは、もう何年もの間、メモリは1GBだけだった。さらに多くのメモリが必要な人のために、今回から搭載メモリを増強したモデルが用意されるようになった。基本モデルは1GBのRAMの搭載にとどまるが、さらに2GBと4GBのRAMを搭載するモデルが用意された。

メモリ容量の増加に加えて、規格がLPDDR2からLPDDR4に更新されたことで、データ転送速度もそれなりに速くなっているはずだ。

ラズベリーパイ財団は、すでに私にRaspberry Pi 4を送ってよこしたので、ベンチマークを取って結果を共有したいと考えている。しかし、新しい基板上ではまだRaspbianが動作しないので、そのアップデートを待っているところだ。それに気付いたのは、プリインストールのNOOBSをRaspbian Liteで置き換えようとして、microSDカードをフォーマットした後だった(やれやれ)。

コネクティビティに関して言えば、2つの大きな変更がある。1つは、Gigabit Ethernet over USB 2.0ではなく、本物のGigabit Ethernetを装備したこと。これにより、サーバーやヘッドレス(ディスプレイなし)のRaspberry Piデバイスのユースケースとして、多大な可能性が開けるはずだ。

USBポートは、USB 3.0×2とUSB 2.0×2になった。また電源用としてUSB-Cポートも装備した。さらにBluetoothも、4.2から5.0にアップデートされている。

もう1つの大きなハードウェアの変更は、フルサイズのHDMIポートがなくなったこと。その代わり、2つのmicro-HDMIポートを装備した。これにより、1台のRaspberry Piに、2つの4Kディスプレイを、60fpsで接続できる。まだ実際に接続してテストはしていないが、たとえば、オフィスに2台の静止画主体のダッシュボードのようなものを設置するには十分だろう。とはいえ、突出したデュアルスクリーンのパフォーマンスなどは期待できない。

その他の仕様は、これまでにRaspberry Piを使用したことのある人にとっては、馴染み深いものだろう。もちろん、OSとユーザーデータをメモリカードに入れてセットするmicroSDカードのスロットがある。これまでのアドオンボードと互換性がある40ピンのGPIOヘッダも健在だ。

この製品は、Raspberry Piの正規販売店によって米国時間6月3日に発売された。メモリが1GBのベースモデルの価格は35ドル(約3745円)に据え置かれている。RAMが2GBのモデルは45ドル(約4815円)、4GBのモデルは55ドル(約5885円)となっている。

Raspberry Piは、もともと子供たちにプログラミングを教えるための手軽なコンピューターとして設計されたものだが、さまざまなユースケースに対応できる多用途のデバイスとして認められてきた。私自身、ここ2、3年で数台のRaspberry Piを使い、プログラミング、システム管理、Dockerコンテナ、ネットワーキングなどについて、多くのことを学んだ。今回のアップデートは、子供、親、そしてメイカーにとっても、ヒット作となりそうな予感がしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)