リーダーシップ能力を高める学習アプリ「Bunch」が1.1億円を追加してシード資金4.8億円を調達

Bunchは米国3月29日朝、今週新たに調達した100万ドル(約1億1000万円)を含め、合計440万ドル(約4億8000万円)のシードキャピタルをクローズしたと発表した。Bunchの製品であるモバイルアプリは、外出先でも小まめに学習することに慣れている若い世代に、リーダーシップスキルを教えることに重点を置いている。

ビジネススクールに通っていたみなさん、ここですぐに見限ってはいけない。このコンセプトには牽引力がある。

2021年3月初めにTechCrunchは、テキストを使ってエンドユーザーに企業研修を提供するスタートアップ、Aristを取り上げた。そちらの会社は前回の調達額に200万ドル(約2億2000万円)を追加して、合計390万ドル(約4億3000万円)を調達した。ゆえにBunchが追加資金を獲得したことは、それほど驚くことではない。

TechCrunchは、Bunchの共同創業者兼CEOであるDarja Gutnick(ダーヤ・グットニック)氏と、M13のパートナーでBunchの出資者であるKarl Alomar(カール・アロマー)氏にインタビューし、今回のラウンドとスタートアップの近況について話を聞いた。

Bunchは、よりよいリーダーになるためのヒントやコツを毎日、短い文章でユーザーに提供する「AIコーチ」だという。私たちの誰もが、もっとトレーニングが必要なマネージャーの下で働いたことがあるか、もしくは自分自身がそのようなマネージャーだったことを考えると、このアイデアは悪いものではない。

ご想像のとおり、Bunchは個々のユーザーに合わせてカスタマイズされる。グットニック氏はTechCrunchの取材に対し、同社がその基盤の一部として、さまざまなリーダーシップスタイルの「アーキタイプ」を詳述するために、研究者らと提携したと語った。Bunchのシステムはまた、ユーザーのスタイルやリーダーシップ目標に合わせてアウトプットをカスタマイズすることができる。

注目すべきは、TechCrunchが前回Bunchを取り上げたとき、同社は少し異なることに取り組んでいた点だ。2017年当時、同社は我々が「企業文化のためのGoogle Analytics」と表現したものを構築していた。それ以来このスタートアップは、企業ではなく個人に焦点を移した。

Bunchのサービスは2020年11月に開始され、年明けまでに約1万3000人のサインアップにつながった。同社によれば、現在では2万人近くが登録しているという。また、Bunchは今後数カ月の間に大きな製品計画を立てている。そのためにより多くの資金を調達し、アロマー氏と彼の会社もこのスタートアップにさらなる資本を投入することになったのである。

M13が十分に興奮してBunchに資本を投入した先にあるものとは?アロマー氏は、コミュニティやピアレビューの機能が搭載される予定だと語った。グットニック氏の会社がビジネスを構築し、もう少し仕事をしてからまた資金を調達するために、同社に資金投入するには良いタイミングだったと彼は説明する。

同社はフリーミアムによって収益を上げることを計画している。グットニック氏はTechCrunchに、同じカテゴリーの関連アプリはリテンションに苦労する傾向があり、前もって課金しておいて、後で使用量が落ちても気にしないようにしていると語った。同氏はそれを覆したいと考えている。

さらにBunchは、他のカテゴリーのコンテンツへの拡大も検討している。しかしこのスタートアップは、集中して最初のニッチを成功させたいと考えている。そして初期の牽引力が単にそれだけではなかったと証明するために、今はさらに100万ドル(約1億1000万円)の軍資金を持っている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Bunch資金調達

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

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