レビュー:Koboがビッグになった―Aura One は7.8インチ画面の防水電子書籍リーダー

2016-08-18-kobo-auraone

Koboは電子書籍という比較的地味なビジネスにあってリスクを恐れない戦略で知られてきた。それだけでもこのカナダの企業の存在価値は十分にある。Koboがスクリーンサイズやデバイスの品質、機能の革新を推し進めなかったらAmazonが独占する市場にはまったくイノベーションが起きていなかっただろう。

Aura OneでKoboはAura HDにつづいて再び大胆なイノベーションを行った。7.8インチのディスプレイはAura HDの影を薄くするほど巨大だ。ただし230ドルという価格もこのサイズにふさわしい。サイズに加えていくつか歓迎すべき機能を備えているものの、電子書籍リーダー専用機としては相当の高価格だ。AmazonのKindle Voyageは30ドル安い(すくなくとも特別価格の場合)。

しかし Koboの前回の賭けは成功した。Kobo自身、Aura Oneは「万人向けの製品ではない」ことをいち早く認めている。この種のデバイス、つまり市場で最高のeリーダーに200ドル以上を支払ってもいいという消費者がターゲットだ。

スペック

  • 7.8インチ、1872 x 1404 E Inkディスプレイ
  • 8GBメモリ、 1Ghz CPU

メリット

  • 大画面
  • 夜間用淡青色照明
  • 防水

デメリット

  • 高価
    • バッテリー駆動時間がやや減少

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あらゆるeリーダーの画面は6インチへとなびいてきた。KoboとAmazonはともに各種の画面サイズを試してきたものの、結局は6インチが最適という結論に戻っている。このサイズは書籍の1ページを表示するのに十分大きく、読み終わった後はパンツのポケットに入れられる。

Koboは2013年に発表された6.8インチのAura HDで大画面化のパイオニアとなった。この製品はいまだにeリーダーで最大の画面だ。表示面積が広がったことでページめくりの回数は減った。また大きなフォントでの表示やPDFファイルの表示にも適するようになった。画面の小さいeリーダーでPDFを表示させようとするとピンチとスクリールでひどい苦労をすることになる。

7.8というサイズは巨大だが、使ってみると決して大き過ぎはしない。もちろんこのサイズではポケットに入れて持ち歩くのは論外だ。バスや地下鉄の中で片手で読むことはまだ可能かもしれない(これはユーザーの手の大きさにもよる)。Aura
Oneの重さは230gで6.9mmというのははKoboファミリー中でいちばん薄い。長時間の読書も苦にならない。

eリーダーのキャデラック

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Aura Oneがこれほど薄い仕上がりになったのは、側面バックライト、一枚ガラスの新しいディスプレイの貢献が大きい。周囲のベゼルはかなりのサイズで下部にKoboのロゴがあり、トップには目立たないが環境光のセンサーがある。裏側は電子書籍リーダーとしては大胆なデザインだ。側面にはテーパーがつき、わずかに凸面になっており、手のあたりが柔らかい素材で覆われている。

トップにはたいへん目立つ電源ボタンがある。物理的なボタンはこれが唯一のものだ。最近AmazonのKindle Voyageで復活したページめくりボタンは残念ながら装備されていない。下部にはmicroUSBポートがある。USB-Cが欲しかったところだが、スマートフォンでも採用しているメーカーはまだ少ないのでこれは無理なのぞみだったかもしれない。

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外部ポートがありながらAura Oneは依然として IPX8規格の防塵防水だ。これは水深2mの水中で1時間耐えられることを意味する。これは読書の可能性を大きく広げるものだ。ともあれれ読書中にデバイスを風呂の中に取り落としても壊れる心配をせずにすむ。

目にやさしい

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E Inkのディスプレイの解像度は1872 x 1404、300 ppiで、Kindle Voyageと最新のKobo Glo HDと同じだ。多くの印刷物と同程度の解像度なので文字や画像を十分鮮明に表示できる。E Inkの特性はすでによく知られるようになっているが、電力消費が最小で直射日光下でも読みやすい代わりに動作は驚くほど遅い。

通常の電子ディスプレイに比べて、このデバイスでウェブサイトを表示させると大きく見劣りする。しかし大半の消費者はeリーダーとしての機能だけを求めるはずなので欠点とはいえないだろう。

Aura OneはComfortLight Proテクノロジーを搭載しており、ベッドではバックライトの明るさをコントロールできる。電子書籍リーダーにバックライト照明が加わったのはそもそもベッドでの読書を快適にするためだったから、画面の明るさが調節できるようになったのは大きな進歩だ。

ハードウェア

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eリーダーのキャデラックのプロセッサーは1GhzのSolo Lite iMx6だ。パフォーマンスはAura HD、Kindle Voyageと同等だ。これに512MBのRAM.が組み合わされ、ページめくりのスピードをアップさせている。ただしE Inkの画面に慣れていないユーザーにはかなり遅く感じられるかもしれない。残念ながら電子書籍リーダーの表示テクノロジーはここ数世代hではさほど劇的な進歩を遂げているとは言いがたい。

逆にAura Oneのストレージに関しては問題はない。Aura HDのストレージ容量の2倍にあたる8GBとした。 この容量は拡張できないが、eブックを6000冊格納できるというのであればおそらくほとんどのユーザーにとって十分だろう。またユーザーはドラグ&ドロップでパソコンからEPUB、MOBI、PDF、CBZ、CBR(コミック用)などのファイルを直接保存することができる。このオープンさがKoboの特長のひとつだ。なお大画面化にともなってバッテリーのもちはやや減少した。

ただし価格は229ドル

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電子書籍リーダー専用機としてはやはり高価だ。KoboにはAmazonのようなアグレッシブなマーケティング能力はない。 (もっとも日本のeコマースの巨人、楽天の傘下に入ったことは助けになっているだろう)。Koboにできることは電子書籍を読むことだけなので、すでにニッチ的である電子書籍リーダーの中でもさらにニッチな製品ということになりそうだ。

しかしKoboが電子書籍リーダーという狭い世界を離れてAura Oneをデザインしたことは大いに歓迎されるべきだ。この価格ではAura Oneはeリーダーの入門機ではないかもしれないが、巨大な画面、調節できる淡青色の照明、大容量のメモリなどの特長で相当数の熱心なユーザーを見つけることができるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

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