レーザースキャナーで周辺把握、人間も判別 ―― 警備ロボットを開発するSEQSENSEが2億円調達

画像:SEQSENSE Webページより

自律型ロボットの開発を手がけるSEQSENSE(シークセンス)は4月21日、データセンターやクラウドなどサービス型のITソリューションを提供するTIS、およびジャフコを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額2億円を調達したと発表した

明治大学理工学部の教授を務める黒田洋司氏などが設立したSEQSENSEは、警備用の自律型ロボット「SQ1」の開発などを手がけるスタートアップだ。SQ1にはレーザースキャナーを用いた3次元マッピング技術が利用されており、周辺の環境をリアルタイムに把握したり、スキャンの形状から人間を判別したりすることができる。

そのため、SQ1を走行させるためにGPSを利用したり、事前に地図情報をインプットする必要はない。このような特徴から、人で混みあう商業施設やオフィスビルなどの警備が主な用途として想定されている。

形状や用途が似たロボットとして思い浮かぶのが、2014年3月にNTTドコモベンチャーズなどから資金調達を実施した米Knightscopeの「K5」だ。このロボットは、周囲360度の動画を撮影するHDカメラ、4方向の音声を収集するマイク、超音波式の近接センサー、対象物の移動速度や距離を図るセンサーなどを利用して周辺の状況を把握している。

SQ1と同じく、K5もショッピングモールなど比較的広域なエリアの警備をユースケースとして想定しているため、このあたりがSEQSENSEの直接的な競合となりうるのだろう。

今回の資金調達についてSEQSENSEは、「(警備用の)人材の確保が難しい領域からサービスの提供を始め、その後は、自律移動型ロボットの活用が望まれる分野に合わせた機能開発を行い、サービス提供領域を広げていく予定」だとコメントしている。

SEQSENSEは2016年10月の創業。共同創業者兼CTOの黒田洋司氏は、JAXAの「はやぶさ」と「はやぶさ2」のプロジェクトメンバーでもある。同じく共同創業者でCEOの中村壮一郎氏は、東京三菱銀行、シティグループ証券などを経て黒田氏とともにSEQSENSEを創業した。

日経新聞が報じたところによれば、SEQSENSEは2017年2月、同じくTISから数千万円規模の資金調達を実施している。

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TechCrunch Japan

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