ロボアドバイザー「THEO」を提供するお金のデザインが総額59億円を調達——東海東京フィナンシャルの関連会社へ

AIを活用した個人向け資産運用サービス「THEO(テオ)」を提供するお金のデザインは6月27日、東海東京フィナンシャル・ホールディングスを引受先とする50億円の第三者割当増資と、三井住友銀行、りそな銀行からの融資により、総額59億円の資金調達を実施することを発表した。

東海東京フィナンシャル・ホールディングスは今回の出資により、お金のデザインの株式の20%を取得。お金のデザインは同社の持分法適用関連会社となる。第三者割当増資の発行予定日は6月29日。

お金のデザインは2013年8月の創業。2015年12月より、複数のVCや銀行、銀行系VC、事業会社から資金調達を実施しており、今回の資金調達で、創業からの累計資金調達額は104.8億円となる。

これまでにお金のデザインが実施した資金調達については、以下の通り(カッコ内は出資者)。

  • 2015年12月 約15億円(東京大学エッジキャピタル、グロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、電通デジタル・ホールディングス、伊藤忠商事など)
  • 2016年9月 約8.1億円(ちばぎんキャピタル、静岡キャピタル、ふくおかテクノロジーパートナーズ、丸井グループ、ベネフィット・ワン、東京短資など)
  • 2017年2月 15億円(Fenox Venture Capitalなど)
  • 2017年7月 5億円(新生銀行)
  • 2017年10月 7.8億円(NTTドコモ、第一生命保険、OKBキャピタル)

今回の第三者割当増資はお金のデザインにとってシリーズEラウンドのファーストクローズとなる。同社はシリーズEラウンドで追加の資金調達も進めているという。また同社は、東海東京フィナンシャル・ホールディングスと別途、業務提携契約の締結も予定している。

THEOは5つの質問に答えると、ユーザーの年齢や金融資産額、投資傾向に基づき、世界の約6000種類のETF(上場投資信託)の中から最適な組み合わせを提案、運用するというロボアドバイザーサービスだ。月々1万円という少額から始められ、運用報酬は1%(年率・税抜)。20代・30代を中心に利用が広がり、5月末現在で運用者は4万3000人を超えたという。

2017年4月からは、地方銀行と協業してロボアドバイザーサービスを提供する「THEO+(テオプラス)」を開始。2018年5月にはNTTドコモのユーザー向けに、運用額に応じてdポイントが貯まり、dカード利用の「お釣り」相当額を自動積み立てできる「THEO+ docomo」の提供もスタートした。

お金のデザインでは今回の調達資金を、開発体制の強化やマーケティング活動へ投資。THEOのサービス向上と新しい金融プラットフォームの構築に取り組むとしている。

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TechCrunch Japan

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