ロボットの脳の部分(汎用I/O)を提供する多機能コントローラボードRex

今では既製のマイコンボード(Raspberry Pi, Arduino, etc.)が簡単に手に入るから、誰もがロボットを容易に作れるようになった。でもそれが実際に動くようになるためには、そのほかのいろんな既製部品を寄せ集めて即席のつぎはぎ細工をする必要があった。その試行錯誤には、相当な時間を食う。そこで、“ロボットブレイン(robot brain, ロボットの脳)”Rexの登場だ。Hardware BattlefieldでファイナリストになったModBotもそうだったが、自作ロボットを有脳化する部分の工程を、すっきりと単純化してくれる。

Mike LewisとKartik TiwartiがCarnegie Mellonの修士課程の学生だったころに作ったRexは、いわばRaspberry PiとArduinoの折衷だ。またUdooにも似ていて、いろんなシールドを組み合わせて苦労することなく、マイコンボードに制御のためのハードウェアI/Oを容易にくっつけられる。まさに、ホビイストを楽にしてくれる製品だ。

Lewisによると、これはロボット専用のハードウェア製品で、“Piよりも値段は高いけど、これはロボットの構築から苦痛を取り去ってくれる。いろんなものを配線~ハンダ付けする必要がないし、電池(電源)入力も内蔵している。ロボットのプログラミング環境中へ直接ブートアップする”。

彼らは、オンラインのサポートとヘルプサイトも充実させた。99ドルのベーシックモデルは、すべての機能があり、OSと電源部がすでに載っている。シリアルのケーブルもある。今Kickstarterで9万ドルを募集中だ。

Lewisは曰く、“Kartikとぼくは、いろんな問題解決のためのロボット制作を消費者のホビーのレベルに持ちこむことに関心があった。これまでのロボット制作は複雑で、しかも目的ごとにシステムの要件が違っていた。そこで、どんな目的のロボットにも使える簡単なプラットホームが必要だ、と感じた。Rexは、Arduinoを使うロボットを作ったことがあるが、現状ではもっと高度なことをさせるロボットを作るのが難しい、と感じている人の、肩の荷をおろしてくれるだろう”。

自作のOS Alphalemがすでに載っていて、プログラミング環境もある。サイズは、汎用マイコンボードとしては最小のArduino Unoと同じだ。DSPやカメラやマイクからの入力端子もあるから、ホビイストも専門技術者もいろんな目的のロボットを簡単に作れる。

しかも、コントロールの対象はモーターだけではない。

“このOSの開発環境は、Arduinoのsketchやタスクマネージャ(MCP)みたいに使いやすくて、しかも、複数のsketch的なプロセスをいろんなタスク目的でパラレルに動かせる。カメラやWiFiのUSBアダプタなど、いろんなデバイス用のドライバもある。今後は、AIや機械学習をロボット上に実装するための層も設けたい”。

ロボットがより有脳になったときのための、モーターキルスイッチもある。要するに、Rexにはたいがいの目的のためのロボットに必要なI/Oインタフェイスが揃っている。本格的なロボットプロジェクトに十分使えるし、またお値段は良質なステッピングモーター数台ぶんぐらいだから、費用も高くない。ぼくならさしずめ、油圧ではなく空気圧で動くスープの味見ロボットを作ってみたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))