上院議員がGoogleによる児童生徒のデータの収集で質問状をGoogle CEOに送付

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合衆国上院議員Al Franken(民主党-ミネソタ州)は、水曜日(米国時間1/3)にGoogleのCEO Sundar Pichaiに書簡を送り、その中で、同社のエドテック(EdTech)サービスが集めているデータの、同社による利用について疑問を呈した。

Googleの教育テクノロジ(“EdTech”)への進出を私は賞賛しているが、心配なのは、同社がK-12児童生徒の個人データをどれぐらい集めているのかということ、そしてその情報を親の知識や同意なく非教育的な目的に使っているのではないか、という点だ。

Electronic Foundation Frontier(EFF)が先週発表したレポートは、Googleの教育プログラム(5000万あまりの児童生徒が学校で利用)が集めたデータが、児童生徒たちを追跡調査するために使われている、と示唆していた。

EFFの主張によると、GoogleのChromebookとGoogle Apps for Education(GAFE)は児童生徒たちを欺いて追跡調査し、Googleのすべてのプロダクトの上で行われている児童生徒たちのアクティビティを保存し、そのことをすべてデフォルトで行ってきた。しかも、EFFの主張では、同社の行為はGoogleが署名したStudent Privacy Pledge(生徒のプライバシーに関する誓約)に違反している。

Franken上院議員はこれらのレポートを取り上げ、同社が学校の児童生徒のプライバシーを全国的に侵(おか)してきた、という懸念を表明している。

…Googleが同社の中核的なGoogle Apps for Education(GAFE)サービス、すなわち教育的と見なされるプロダクトから取得した児童生徒データと、教育的とは見なされないGoogleのサービス、すなわちGoogle Search(検索)やGoogle Maps(地図)、YouTubeなどから取得した児童生徒のデータとでは、その扱い方が異なるであろうことは、理解できる。しかしその結果、児童生徒が自己のGAFEアカウントにログインしたりGoogle Chromebookを使っているがGAFEサービスは実際に利用していないとき、児童生徒のインターネット閲覧行動やパスワード、およびビデオ視聴行為を、Googleは追跡し保存しているかもしれない。私の懸念は、このデータ集合によってGoogleは児童生徒の詳細なプロフィールの作成が可能になり、それにより広告を彼らにターゲティングしたり、児童生徒が知らない間に、プロフィールを他の非教育的な目的に利用したりしているのではないか、ということだ。しかも、私の理解では、学校の管理者が児童生徒にGAFE以外のサービスへのアクセスを禁じていなければ、ユーザはこのデータ収集や、その非教育的目的への利用に同意することも、ある程度できるかもしれない。

児童生徒データの誤用という主張に対しGoogleは、Google Apps for EducationのディレクターJonathan Rochelleのブログ記事で応じた。その記事はこう述べている: “児童生徒のデータのプライバシーに対するEFFの関心には感謝するが、弊社のツールが法律および、弊社が今年初めに署名したStudent Privacy Pledgeを初め、弊社自身の約束に準拠していることは確実である”。

それでもFranken上院議員は、大量の質問リストを提示してGoogleの答を求めている。質問は主に、集められているデータのタイプと、その情報がサードパーティとシェアされたり、あるいは広告を児童生徒にターゲティングするために使われているか否かに集中している。

以下が、彼の質問の完全なリストだ:

  • 児童生徒が自分のGAFEアカウントにサインインしているが、GAFEのサービスをどれも使っていないとき、どのような種類のデータをGoogleは児童生徒個人に関して集めているか?
  • 児童生徒がChromebookを使っていてGAFEサービスをどれも使っていないとき、 どのような種類のデータをGoogleは児童生徒個人に関して集めているか?
  • 児童生徒がChromebookを使っていたり自分のGAFEアカウントにログインしていてGAFEのサービスをどれも使っていないとき、閲覧情報や視聴習慣など、児童生徒の個人的データをGoogleが集めているなら、以下の質問にもお答えいただきたい:
  • Googleは何のためにその情報を集めているのか?
  • それらの情報はどれも、GAFEサービスや教育目的に関連のあるその他の価値ある機能を提供するために、集めることが必要なのか?
  • Googleはこれまで、この種のデータを、GAFEやそのほかのGoogleサービス、すなわち検索やニュース、Google Books、Google Maps、Blogger、YouTubeなどの中で児童生徒に広告をターゲティングするために利用したことがあるか?
  • Googleはこれまでこの種のデータを、Googleの教育的提供物の供給とは無関係な、自社の企業目的のために利用したことがあるか?
  • このデータ収集を、オプトインにすることは可能か?
  • Googleはその情報を他と共有しているか?
  • Googleは、Chrome Syncの児童生徒ユーザから集めたデータを編纂し匿名化して、同社のサービスを改良するために使っている、と述べている。集められた情報がどのように取り扱われているのか、もっと詳しく説明することはできないか? たとえば、集められたデータは研究目的などのためにサードパーティと共有されていないか?
  • Googleの教育プロダクトやサービスの利用を決める校区とその管理者たちおよび父兄と、Googleとの関係を説明していただきたい。一般に公開されているプライバシーポリシーのほかに、Googleが児童生徒の情報をどのように集めて利用しているかに関する説明を、父兄や教師、教育関連公務員などに行っているか?
  • Google for Educationプロダクトとサービスを使っている学校の学校管理者と児童生徒の父兄が、集められるデータと、そのデータの使われ方をコントロールできる、すべての状況と方法を説明していただきたい。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

投稿者:

TechCrunch Japan

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