不妊治療可視化アプリを運営するninpathが約3000万円調達、機能改善や関連サービスを充実

不妊治療可視化アプリ「ninpath」(ニンパス。Android版iOS版)を運営するninpathは10月28日、シードラウンドでの第三者割当増資と融資による約3000万円の資金調達を発表した。引受先は、Yazawa Ventures、SFCフォーラム1号投資事業有限責任組合、個人投資家数名となっている。

ninpathは、不妊治療に関する様々な情報を、客観的なデータから把握できるようにする支援アプリ。自身の治療の記録や管理はもちろん、2020年3月にサービスを開始してから3000人を超えるユーザーから集約された情報をもとにした、治療に関する客観的なデータが得られる。これを、治療方法や治療中のさまざまな判断の参考にして、自分で治療方針を考えることができるというものだ。

ninpathでは、今後の事業展開として、アプリの改善とユーザーデータの活用の他、「メンタルを中心とした患者ケアスキームの開発」「企業の女性活躍推進支援」を掲げている。

アプリ改善とユーザーデータの活用では、アプリの利便性の向上と入力負担の軽減を行うと同時に、データドネーション(データの寄付)で不妊治療経験者が提供したデータを活用し、クリニックごとの治療事例の検索や閲覧ができるようにするサービスを準備する。

メンタルケアは、精神的な負担が大きい不妊症や不育症患者のために、「ケアを受けるきっかけ」と「適切なケアラーへつなぐ導線」を提供するというもの。年内に運用実験を行うという。

ライフプランニング支援では、企業での妊よう性や不妊治療に関する従業員向けセミナーを実施したり、休暇制度の導入、簡易検査の提供など、従業員と家族が人生設計と仕事を両立できるように支援する体制を構築するとしている。

ninpathでは、「長年の課題となっている不妊治療患者の精神的な負担を少しでも軽減していくために、医師や各企業がより包括的に患者をサポートできるような体制作りを支援し、患者が治療に集中して臨める環境構築に注力してまいります」と話している。

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TechCrunch Japan

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