世界のアプリ支出額は2025年までに約28.4兆円に成長との予測、2024年に非ゲームへの支出がゲームを上回る

新たなマーケット予測によると、アプリの支出額は2025年までに2700億ドル(約28兆3545億円)に達する。ここには有料のダウンロード、アプリ内購入、サブスクリプションが含まれる。Sensor Towerのデータでは、アプリ内支出は今後数年、パンデミック前の水準に戻って安定成長し、ダウンロードは増え続ける。そしておそらく最も特筆すべきは、ゲーム以外のアプリのアプリストア支出額が2024年までにモバイルゲーム支出額を上回るという予測だ。

今日では消費者はゲーム以外のアプリの倍の額をモバイルゲームに注いでいることを考えると、これは大きな賭けだ。しかしながらSensor Towerは多くのモバイルアプリに導入されているサブスクモデルがシフトすると確信している。2024年までに非ゲーム支出は860億ドル(約9兆300億円)に達し、一方のモバイルゲーム支出は730億ドル(約7兆6680億円)となると予測している。そして2025年までにこの差は広がり、非ゲーム支出は1070億ドル(約11兆2380億円)に、モバイルゲーム支出は780億ドル(約8兆1930億円)に達する。

画像クレジット:Sensor Tower

参考までにマーケットの現状をいうと、2020年に世界の消費者がトップ100のサブスクアプリに費やした額は前年比34%増だった。しかしすでにサブスクの成長はアプリ内購入の回避策を取っているNetflixやTinderのような大手アプリの影響を受けていることが示されている。

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Sensor Towerが予測できないのは、今後数年の規制環境がアプリストア全体にどのように影響をおよぼすかだ。Apple(アップル)やGoogle(グーグル)のような企業は現在、自社の決済メカニズムを通じたサブスク料金を顧客に課金することを求めている。しかしアプリメーカーがアプリ内でサブスクを展開できるようにする新しい反独禁法が導入されるかもしれない。ゆえに、そうした変更はアプリストアのサブスク成長トレンドに大きな影響をおよぼし得る。

パンデミックにより2020年のアプリ内支出は前年比30%増の1110億ドル(約11兆6590億円)に達したが、全体のアプリ内支出は今後5年間でコロナ前の水準に戻るとSensor Towerは予測している。そして2つのアプリストアの売上高は毎年、年平均成長率(CAGR)19.5%で増加し、2025年には合計2700億ドル(約28兆3610億円)に達すると見込んでいる。この数字の内訳は、1850億ドル(約19兆4330億円)がAppleのApp Store、850億ドル(約8兆9290億円)がGoogle Playだ。

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米国は他のグローバルマーケットよりもゆるやかに成長し、CAGR17.7%で2025年までに740億ドル(約7兆7730億円)に達する。

欧州マーケットのアプリストア支出は2020年から2025年にかけて成長し、英国がそれを牽引する。これは支出総額が最も多いことを意味するのではなく、どこで成長しているか、言い換えればアプリマーケットの機会を示すものだ。2025年までに欧州の11カ国が消費者支出額10億ドル(約1050億円)というマイルストーンを超え、合計で420億ドル(約4兆4120億円)に達する。

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一方、ダウンロード数は今後数年間は成長し続け、2025年までに2300億回に達するとSensor Towerは予測している。この数字の大部分はGoogle Playが占め、1870億回だ。しかしながら米国では2025年のApp Storeのダウンロード数は106億回でGoogle Playの63億回を上回る、とSensor Towerはレポートを締めくくっている。

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カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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