世界中のサッカー選手をスカウトが発見するアプリ「Gloriaは

Lionel Messi(リオネル・メッシ)は今も世界最高のサッカー選手として知られている。彼は最初の契約をFCバルセロナと13歳の時に結んだ。アルゼンチンの小さな町に育ったにもかかわらず、世界の名だたるサッカーチームが11歳の時から彼に注目していた。

メッシ氏の立身出世物語がスポーツ界の夢そのものであり、世界最高峰のチームであっても世界中の優れたプレーヤー全員を見つけることが不可能なのは、このゲームの参入障壁が驚くほど低いからだ。サッカーは誰でもプレイできる。小さな子どもに必要なのはボール代わりの何かと走れるスペースだけだ。そして現在サッカーには世界で40億人のプレーヤーとファンがいる。

そこへ登場した Gloriaは、サッカーをプレイしている人でスマートフォンを使える人なら、誰でも見つけてもらえるチャンスを得られるアプリだ。Victoire Cogevina(ヴィクトワール・コゲヴィナ)氏とMatias Castello(マティアス・カステッロ)氏が1年前に米国サンフランシスコで共同設立した同社は、つい最近プレシードラウンドで非公開の金額を調達し、Initialized Capital、ロサンゼルスのMuse Capital、そしてVerizon Media GroupのCEOで、私のボスのボスであるGuru Gowrappan(グル・ゴーラッパン)氏を始めとするエンジェル投資家らがラウンドに参加した。

この投資の結果、Redditの共同創業者でもあるInitializedのAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏がGloriaの取締役に就任した。

Gloriaの共同創業者のMatias Castello氏とVictoire Cogevina氏、およびInitializedの共同創業者のAlexis Ohanian氏

コゲヴィナ氏とカステロ氏が出会った後、アルゼンチンの歴史を共用していること(二人ともそこで生まれた)、世界で最も人気のあるスポーツを愛していることからふたりは強く結びついた。カステロ氏の父は、コゲヴィナ氏が地元で応援していたRacingというチームで実際にプレイしていた。

アルゼンチンでスポーツエージェントをしていたコゲヴィナ氏は、サンフランシスコに移住して会社を立ち上げると、数カ月後にはカステロ氏を説得し、Facebookを辞めてフルタイムで彼女と一緒に働くよう決断させた。

「子供たちのために現在ほとんどない選択肢に代わるものを作ることが目標です」とカステロ氏は語る。「ものすごく才能があればアカデミーに入れるけれど、お金がたくさん必要です。参加するには費用がかかります。発見してもらうのが困難なうえにそういう問題もあるのです」。

クラブチームのスカウティング能力にも限界がある。ボカ・ジュニアーズやリバープレイスのように特に裕福なチームは広大なスカウティングのネットワークを持っている。「それでもアルゼンチンには300~350万人のプレーヤーがいるが、スカウトたちが見るのは年間5万人くらいだ」とカステロ氏は語る。

「現在、大ブレークを目指すアスリートはYouTubeで見つけてもらうか、お金を払ってアカデミーに行くしか発見される道はない」とコゲヴィナ氏は言う。Gloriaはサッカークラブ専用で、米国のクラブチーム、シアトル・サウンダーズのスカウティング・ディレクターらの協力を得て作ることができた。

「アカデミーで見つけてもらうためにいくらかかるかを私たちは知っています」とカステロ氏は言う。「2万~5万ドルという費用は、アプリのプロ機能に月間2.99ドル払うのとは比べ物になりません」。

現在ベータの同アプリは無料で利用可能で、アスリートはSNSと同じようにプロフィールを設定できる。将来のバージョンには、コーチング機能などのプロフェッショナルなツールを追加する予定だと創業者たちは語る。

Gloriaはアルゼンチンでスタートしており、すでにこの国で最大級のサッカークラブがいくつか顧客として契約を結んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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