世界最大級のスタートアップデータベース・CrunchBaseのプレジデントが来日講演

TechCrunchの読者ならCrunchBaseはご存じだろう。CrunchBaseは、2007年にローンチしたWikipediaライクなスタートアップのデータベースだ。TechCrunchの創業者であるMichael Arlingtonの指示のもとで開発された。

CrunchBaseには、スタートアップの概要やそのボードメンバーのほか、シリーズごとの資金調達額、投資家、プロダクトなど、50万件以上の情報が登録されている。まさに世界最大級のスタートアップデータベースだ。CrunchBaseでは、ここに蓄積されたデータをもとに、日々さまざまな分析記事やグラフ、インフォグラフィックスなどがTwitterブログを通じて公開している。例えばこちらの記事はアジア圏における9月のスタートアップの資金調達状況を紹介したものだ。これを見れば、インドでの活発なスタートアップ投資の状況が見て取れる。

また、最近どのジャンルのスタートアップに投資が流れているかなんてことも、こちらのグラフのように一目瞭然だ。これは2014年の第3四半期を、2013年の同時期と比べて伸び率を示したもの。IoTが単なるバズワードではなく、実際の投資額としても前年同期比170%以上も伸びていることが分かる。右端にあるクラウドコンピューティングのジャンルは落ち着いて、いまはビッグデータ解析(左から2番め)にお金が流れている様子も見て取れる。投資が増えているから単なるバズワードではない、という訳ではないが、TechCrunchの記事を読むだけでは印象としてしか見えてこないトレンドがハッキリと可視化されてることがお分かりいただけると思う。少し前の情報になるが、スタートアップの動向を分析した翻訳記事などもあるので、是非とも読んでみて欲しい。

米国のTechCrunchでは、その多くの記事にCrunchBaseの情報が紐付けられている(記事の右側のカラムにある情報だ)。CrunchBaseは現在20人超のチームでサービスを開発しているそうで、2014年4月には(リリースから7年経ってようやくとも言われているようだが)「CrunchBase 2.0」としてサイトをリニューアルしている。API化を進めて、外部サービスとの連携やビジュアライゼーションで活用しやすくなったほか、ほぼ完全なWikipediaモデルに移行して、誰でもソーシャルのIDを紐付けることで情報の追加・編集ができるようになった。

そんなCrunchBaseだけれども、11月18日〜19日に開催予定のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」に登壇することが決定した。現在プレジデントを務めるMatt Kaufman氏が、CrunchBaseの豊富なデータをもとに世界のスタートアップの動向を語ってくれる予定だ。

ちなみにこのCrunchBase、現在は日本語を含むマルチバイト文字には対応していないのだけれども、もちろん日本の情報を登録可能だし、実際結構な数の情報が登録されている。例えばこのグッドパッチの記事のように、国内の記事に関しても積極的に情報を紐付けていく予定なので、スタートアップのみんなはどんどん情報を登録して欲しい。11月のKaufman氏の講演にあわせて、日本向けの展開についても紹介できるかも知れないのでご期待頂きたい。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。