世界最大級の消費財・食品メーカーたちが持続可能サプライチェーンアクセラレーターに参加

世界最大級の消費財・食品メーカーたちが、ビールのBudweiser(バドワイザー)の親会社であるAnheuser-Busch InBev(AB InBev、アンハイザー・ブッシュ・インベブ)が運営する投資プログラムへの参加を決定した。この投資プログラムは、サプライチェーンの持続可能性を追求するアーリーステージの企業を支援するためのものだ。

アースデイ(4月22日)にタイミングを合わせて行われた今回の発表は、企業や消費者が、リサイクルプログラムがプラスチック廃棄物に関連する問題に適切に対処できておらず、そして現在の気候緊急事態に影響を与えている消費者の行動や工業製品の生産と流通に関わる幅広い問題に直面している中で行われた。

この「100+ Accelerator」という名のAB InBevのプログラムは、ウォーター・スチュワードシップ、循環型経済、持続可能な農業、気候変動対策における、サプライチェーンの課題を解決することを目的として、2018年に開始された。これらの課題は、AB InBevの新しいパートナーであるColgate-Palmolive(コルゲート・パルモリーブ)、Coca-Cola(コカ・コーラ)、Unilever(ユニリーバ)たちも熟知している。

声明によれば、アクセラレーターと投資プログラムの開始以来、AB Inbevは16カ国で36社を支援してきた。支援されるスタートアップ企業たちは、その後2億ドル(約216億3000万円)以上を調達している。

このアクセラレータープログラムは、パイロットプログラムへのファンド組成を行ったり、アーリーステージの企業たちが世界のトップコンシューマーブランドの経営陣と相談できる機会を提供したりしている。

プログラム開始以来、AB InBevはスタートアップたちと協力して、リターナブルパッケージプログラムの試験運用、コロンビアの醸造所での水とエネルギーの使用量を削減するための新しい洗浄技術の導入、アフリカと南米の小規模農場への保険の提供、ブラジルでの廃棄物の回収強化、中国での電気自動車用バッテリーのリサイクル、醸造過程で発生する穀物の廃棄物をアップサイクルして、栄養価の高い新たな食材の創出などを行ってきた。

外部の投資家や規制当局からの圧力が強まる中、企業は自社の各プロセスをより持続可能なものにするための方法に注目し始めている。

長い間懸案だった、このような大手企業同士の共同イニシアチブは、ビジネスから環境に対する影響の削減に大きく貢献できる可能性はあるが、その結果は、これらの企業が小さなパイロットプログラムを超えて、ソリューションを実際に展開していく、コミットメントの深さとスピードにかかっている。

直近のアクセラレータープログラム申込期限は2021年5月31日だ。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:Anheuser-Busch InBevサプライチェーン持続可能性循環型経済

画像クレジット:NOEL CELIS/AFP via Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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