中古住宅プラットフォーム事業のWAKUWAKUが4.1億円の資金調達

中古住宅とリノベーションを主軸とした不動産テック企業のWAKUWAKUは2月4日、総額4.1億円の資金調達を実施したことを発表した。オプトベンチャーズ、ナック、iSGSインベストワークスを引受先とする第三者割当増資、ならびにデットファイナンスによる調達だ。

WAKUWAKUは、リノベーションブランド「リノベ不動産」、ならびに“オシャレ建材ECサイト”「HAGS」を運営。そして、不動産、建築業界向けSaaS事業として、業界特化型のマーケティングオートメーションのツール「Customer now!」を開発する。

リノベ不動産では、エンドユーザーに対し中古マンション探しからリノベーションのデザインや施工までのサポートをワンストップで提供。加えて、物件購入費用とリノベーションの費用をまとめて住宅ローンとして組むことのできる特別ローンも案内する。

WAKUWAKUはリノベ不動産をB2Bのサービスとして提供。不動産会社や建築事業者は、リノベ不動産に加盟し会費を負担することで、ホームページの作成、ウェブマーケティング、手に入りにくい建材の供給、設計士の派遣、など、包括的な支援を受けることが可能だ。現在は国内230拠点で展開している。

会員数6500以上の“オシャレ建材ECサイト”「HAGS」では、床材からインテリア、エクステリアまでを揃えている。WAKUWAKU代表取締役の鎌田友和氏いわく、顧客のデザインに対するリテラシーと比例してユニークな建材のニーズが凄く高まってきている。

「『こんな暮らしを実現したい』という希望を持つユーザーが増えている一方、業界は対応できるだけのノウハウを持っていない。当たり前にどこでも使っているような建材では、顧客が求める共感は叶えることができない。新たなルートを開拓しなければならないと言った時に、なかなかこだわった建材の調達ルートがない上、ルートを開拓するのは大変だ。僕たちはこれまでに何千というリノベーションの事例を作ってきたので、建材をサイトに集め、これまでの施工事例と紐付けた。建材の調達はこのサイトが一発で解決できる」(鎌田氏)

Customer now!は2019年12月にリリースされたばかりの、不動産、建築業界向けのマーケティングオートメーションツール。スコアリング機能や、過去データを基に購買意欲の強い顧客を察知し、ポップアップやメールによる対応を自動的に行う、などといったことが可能だ。

調達した資金は、主にHAGSとCustomer now!の開発に使われる予定。リノベ不動産が現在230拠点で展開していることからもわかるとおり、これまでのWAKUWAKUはリアルな拠点の開発に注力してきた。今回調達した資金でIT周りの開発に投資し、エンドユーザーの獲得を更に加速させていく方針だ。

鎌田氏は、「リノベ不動産、HAGS、Customer now!。これらにより、業界の繁雑な業務を効率化し、多様化する(顧客の)ニーズに対応することができるよう変革し、(顧客が)ワクワクする、自分らしい生活が当たり前のようにできる社会を目指したい」と話した。

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TechCrunch Japan

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