中国が見せつける最新の高解像度3D衛星画像

中国は11月に画像撮影用衛星Gaofen-7を打ち上げた。今回、その高解像度の3D画像を初めて公開した。この衛星は、その高度に対して精度は十分に高く、500km上空から一人の人間を識別できるほど。

Gaofen-7は、中国が保持する軌道上の撮影能力を一新することを意図して、全部で14機が計画されている衛星群の最新のもの。Planetのような企業が、数百機もの衛星を打ち上げて、地形ビジネス用に最新の画像を提供しようとしている中、他の国々と同様中国も独自のもの保有したいと考えるのは当然だろう。

すでにGaofenプロジェクトは、このように重要なデータに対する外国の情報源への依存度を大幅に低減してきている。国外からの情報は、他の技術分野での摩擦を見れば分かるように、常に信頼できるとは限らないからだ。

新しい衛星が投入されるたびに、新たな軌道と最新の機器を使って、その領域に独自の、あるいは進化した機能を配置してきた。Gaofen-7では、マルチスペクトル対応カメラと、高精度のレーザー高度計を組み合わせて、構造物や地形について非常に精度の高い3D画像が得られる。

この画像は、明らかにフル解像度のものではないが、撮影可能なディテールのレベルを感じ取ることはできるはず

理想的な条件なら、衛星は1m以下の解像度でカラー画像を生成できる。つまり、幅1m未満のオブジェクトを、深度の解像度については約1.5mで検出できる。もし人が横になっていても検出可能だし、立っていたとしても識別できるだろう。

もちろん、1インチ(約2.54cm)ほどの高さまでも検出可能なNASAのICESat-2のような科学計測器の精度にはほど遠い。しかし、Gaofen-7は、どちらかと言えば汎用衛星であり、測量や建設などを目的としたものなのだ。

「これは、土地を測定するための正確な定規のようなものです」と、この衛星の主任設計者であるCao Haiyi(カオ・ハイイー)氏は、中国国営の新華社通信に語った。「過去には、測量と地図作成の仕事は労働集約型の作業で、数カ月、あるいは数年もかかるものでした。新しい衛星を使えば、こうしたタスクは数分で完了できます。Gaofen-7の打ち上げ前は、正確に測定できたのは高速道路の位置くらいでしたが、現在はGaofen-7によって、田舎の道でも正確に計測できます」。

Gaofen-7はすでに数千枚の画像を撮影しており、今後少なくとも8年間は軌道上の撮影が続くことになる。このプロジェクトの画像の一部は、全世界に公開される予定だが、Gaofen-7が撮影した画像については、おそらく今後しばらくの間は非公開となるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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TechCrunch Japan

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