中国で初めて新型コロナ迅速抗原検査キットが一般向けにネット販売

中国は、新型コロナウイルス感染者数がここ数日で2年ぶりの高水準に達したことを受け、一般の人が迅速抗原検査キットを利用できるようにする。JD.com(JDドットコム)やMeituan(メイトゥアン、美団)などのオンラインマーケットプレイスは現在、深センに拠点を置く遺伝子大手BGIなど政府公認のメーカーによる家庭用検査キットの予約注文を受け付けている。また、全国のドラッグストアでも販売される予定だ。

過去2年間、中国は「ゼロコロナ」封じ込め政策を掲げて感染者数を抑えてきたが、より感染力の強いオミクロン変異種によってこの戦略はますます試されている。中国はこれまで、感染者の特定を分子・核酸検査の一種であるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査のみに頼ってきた。これは、市販の代替検査として迅速抗原検査を採用している欧米諸国とは異なる。

PCR検査は抗原検査よりも正確だと広く認識されているが、医療従事者が検体を採取し、検査機関に送って結果を得る必要がある。それに比べ、抗原検査は自宅で実施でき、1時間以内に結果が出る。

中国の医薬品規制当局は現地時間3月12日、新型コロナ抗原検査の製品5種を承認した。これは、中国の国家衛生委員会が、公的検査の選択肢として抗原検査を追加したと発表してわずか1日後のことだ。

自己検査キットの導入は、中国がゼロコロナ戦略をすぐに緩和するというシグナルにはならない。保健当局は、迅速検査は新型コロナ感染の早期発見を支援することを目的としており、PCR検査は症例確認の基準として残っていると述べている。

家庭用検査キットはせいぜい、過剰なPCR検査体制にかかるプレッシャーを軽減するのに役立つ程度だ。中国の地方当局は通常、都市で数件の局所的な感染例が発生すると、大がかりなPCR検査を命じる。人口密度の高い地域では往々にして、住民は検査を受けるために何時間も並ばなければならない。PCR検査の結果は、携帯電話で国の「健康コード」にデジタルで同期され、それがないと集合住宅、レストラン、オフィスビル、公共交通機関から締め出されることになる。

中国がこの自己検査キットの使用をどのように規制するかはまだわからない。例えば、住民が自宅で陽性結果を確認した場合、自発的な地元当局への通知を政府はどのように保証するのだろうか?少なくとも、政府の予備的な指示では、自宅での検査は「関連行政部門」によって監視されることになっている。

画像クレジット:Diptendu Dutta / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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