中小企業や商店にAI利用のターゲットマーケティングをお安く提供するClearBrain

ClearBrainの目標は大きい: “われわれのミッションはAIをマーケターのために民主化することだ”。

とCEOのBilal Mahmoodは言うのだが、しかしOptimizelyのプロダクトマネージャーだったMahmoodと彼の協同ファウンダー、Googleの広告部門の技術者だったEric Pollmannは、すべての民主化が一度で実現するとは考えていない。具体的な課題を一つ一つ解決していくことが必要だ…まず第一にそれは、広告をもっと有望性の高いユーザーにターゲットすること。言い換えると、ターゲティングの打率を上げることだ。

Mahmoodによると、そのようなターゲティングは大企業がすでに行っているが、中小企業や一般商店などにとっては、買うにしても作るにしても費用が高すぎる。しかしClearBrainに頼めば、月額499ドルからですべてをやってくれる。それだけ安上がりにできるのは、Segment, Optimizely, Heapなど既存のさまざまなツールのAPIを組み合わせて使っているからだ。それにより、さまざまなデータの有効利用ができる、とMahmoodは言う。

“それらのデータレイヤの上にインテリジェンスレイヤ(AI層)を置くことができる”、と彼は語る。

つまりClearBrainは、企業がすでに使っているツールからデータを取り出して、その上に人工知能を適用して分析し、ユーザーを特性別にグループ化する。そしてClearBrainの顧客企業は、それに基づいて、Facebookの広告や、メールマーケティングや、そのほかのメッセージング提供をターゲティングする。

clearbrain screenshot

“うちはAIのスイス(中立国)みたいなもんだ”、とMahmoodは言う。ClearBrainはデータレイヤとアクションレイヤ(消費者のアクション)の両者間を中立的に調停して、企業が利用できるようにする。今後もっと機能を増やして、“企業のマーケティングチームのための中枢神経系”になりたい、と彼は語る。

今の顧客には、InVisionやtheSkimmなどがいる。一方はデザイン用のソフトウェアのメーカーだし、後者はニューズレター専門のメディア企業だ。この、一見性格の異なる二社にClearBrainのツールが有益なのは、どちらもユーザーが会員制(サブスクリプション型)で、特性などが明確で分かりやすいユーザーデータがあるからだ。つまり、AI利用による効果の高いターゲティングをやりやすい。

ClearBrainは、Y Combinatorの現在のクラスの生徒でもある。そしてすでに120万ドルの資金を、YC, Pear VC, Industry Ventures, Dan Hua Capital, OptimizelyのファウンダーDan SirokerとPete Koomenから調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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