中規模企業の後押しをするWeWorkの”HQ”

WeWorkが、最近新しいオフィススペースソリューションである”HQ by WeWork”を発表した。中規模の企業に、長期の賃貸契約なしに、彼らの必要とするプライバシー、柔軟性、カスタマイズ、そしてコスト効率のよいソリューションを提供することが目的だ。

米国国勢調査データによれば、11〜250人の従業員を抱える中規模企業の数は、米国内に110万社を数え、総従業員数はおよそ3000万人に達する。これらの企業は成長を始めてはいるものの、すぐにまた成長してしまうことを思うと(あるいは財政的理由によって)長めのオフィス契約にはなかなか踏み切れないことが多い。

「ずっと30人を超えることのないライフスタイルビジネス、小規模の法律事務所、あるいはハイテク企業など、私たちはその規模の企業が、地域経済にとってどれほど重要なのかを知っています」とTechCrunchに語るのは、WeWorkのChief Growth OfficerであるDave Fanoだ。「しばしば、それくらいの規模の企業にとってスペースの確保は非常に問題です。そして多くの場合そのオフィススペースの決定が、先々の成長の足枷になることもあるのです」。

こうした企業のニーズによりよく応えるために、HQ by WeWorkは、通常は最低でも12ヶ月から24ヶ月の賃貸契約が必要であるプライベートオフィスフロアを、企業に対して柔軟な期間でリースをする(リースと管理はWeWorkによっておこなわれる)。しかし企業はそのスペースから6ヶ月で成長して移動しなければならない。Fanoは、WeWorkがそうした成長をサポートするための助力を提供すると語った。

企業が自ら借りたスペースに、WeWorkによる管理を適用する、WeWorkのPowered by Weモデルとは異なり、HQ by WeWorkを使う企業はオフィスの不動産契約も含めて一切をWeWorkに任せることができる。

HQ by WeWorkでは、カスタマイズした色スキーム、ブランディングの組み込み、専用出入口、WeWorkマネジメントの軽量版モデル(必要なもの ―― IT、AVなど ―― は含まれているが、余分なもの ―― フル会議室やイベント ―― などは省かれたもの)が典型的なWeWorkオフィススペースと共に提供される。こうした設備の削減によって、典型的なWeWork設備よりも1人あたりの価格を安く抑えながら、スペースを提供することができる、とFanoは私に語った。とはいえ、HQテナントたちは、施設の不足を補うために、任意のWeWork施設を訪問して一時利用することが可能だ。

これまでのところ、WeWorkはニューヨークに6つのHQスペースをリースしている。現在はLos AnglesやTorontoなどの、会社が力を入れるすべての主要都市に、HQ by Workを拡大しようと活発に活動が行われているところだ。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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