予備キーデータのクラウド保管サービスを展開するKeyMe、複製鍵の1時間配達サービスを開始

8月にKeyMeというスタートアップの記事を掲載した。家の鍵をスキャンして、錠前屋で利用できる形式のデータとして保管しておくというものだった。鍵をなくしてしまったときには、すぐに新しいものを作ることができる。このKeyMeが、ニューヨーク在住者向けに、新しい鍵を1時間以内で届けるという新サービスを展開している。もはや鍵をなくして締め出されるということを心配する必要もなくなるわけだ。

鍵が届くまでの60分間、一緒に住んでいる相方が帰ってくるのをイライラと待ち続ける必要もなく、のんびりと近くのバーなどで過ごしていることが可能になった。

この新サービスを展開するため、KeyMeは車内に鍵を削り出すための機械を持っている錠前屋との提携を行っている。匿名性を担保するため(家の鍵を持っている他人に、正確な住所を教えることには少々問題があるだろう)、住所はだいたいのものしか伝えられない。鍵を準備して近くまできたときに持ち主に連絡し、そしてどこか別の場所で待ち合わせて鍵のやり取りを行う仕組みだ。

「自宅前での受け渡しでは問題になると思うのです」と、ファウンダーのGreg Marshも言っている。

このデリバリーサービスの提供はまずマンハッタンにて行われる。ニューヨーク州内では他4都市でも提供を開始する予定だとのこと。次に対応するのはボストンの予定で、最終的にはアメリカ中で提供していきたいと考えているそうだ。

Marshによると、8月にサービスを開始してから数万件の鍵データが登録されるようになったとのこと。しかも、その中で無視できない数の人が実際に鍵の複製を行っているとのことだ。

「10週間ないし14週間程度の間に、利用者の5%程度の人が閉めだされてしまったという話です。これだけの人が閉めだされてしまっているわけですから、KeyMeのサービスがきっと役立つだろうと思うのです」とMarshは主張している。

確かにそれなりのニーズがあるようだ。ニューヨークのセブン-イレブン5店舗(およびBed, Bath & Beyondも1店舗)には、KeyMeのデータに基いて鍵を作成する機械が設置されている。機械設置店舗は来年にはニューヨーク以外にも広げていく予定なのだそうだ。但し、ハードウェアを設置する必要があるわけで、規模拡大も爆発劇なペースでということにはならないようだ。

KeyMeは鍵の複製マーケットなどでのシェア獲得を目指して活動中だ。今のところは鍵データのクラウド保管サービスの規模拡大を重視していく方針だ。そちらのサービスであれば、利用者の居住地域によらないサービス拡大を目指すことができるからだ。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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