人の聴力の周波数特性に合わせて音楽の音を調整するSoundFocusが$1.7Mを調達

スタートアップについて書くことは何でも好きだけど、誰が見ても世の中の役に立つことをやっているスタートアップなら、書いていて力が入る。今回は、その一つだ。

SoundFocusは、難聴の人や一部の周波数がよく聴こえない人の、音楽を聴く体験を改善する手助けをする。その同社がこのほど、170万ドルの資金を調達した。

このラウンドの投資家は、Kapor Capital(LotusとEFFの協同ファウンダMitch Kaporのファンド)、Y-Combinator、Greg Badros、Ovo Fund、RTA Capital、Vegas Tech Fund、Garry Tan、Alexis Ohanian、そしてHarj Taggarだ・

本誌が始めてSoundFocusを取り上げたのは去年の夏で、同社がiOSアプリを出したときだ。

そのアプリはiPhone内蔵の音楽ライブラリの曲と、Spotifyからストリーミングされる曲をサポートし、音楽を聴く人の聴力の周波数特性に合わせて音を自動的に調整する。

ユーザがこのアプリを最初に立ち上げたときは、1分間の聴力テストが行われて、その人に聴こえやすい周波数と聴こえづらい周波数を調べる。その後、そのアプリ経由で曲をかけると、音が正しく調整される。たとえば高い周波数が聴こえにくい人に対しては、高音のレベルを適正化する。周波数特性のチェックと、それに合わせて行う音の調整は、片耳ごとに行われるから、片方の耳だけ不具合な人でも、このアプリを十分に使える。

こんなビジネスを思いつく、きっかけは何だろうか? 協同ファウンダのAlex Seligは子どものときから聴覚障害があり、両方の耳に補聴器が必要だった。彼はもう一人の協同ファウンダVarun Srinivasanに、Microsoftのカンファレンスで出会い、二人一緒に、人間の聴覚を改善する仕事をしよう、ということになった。

アプリは完全に無料だが、彼らは何で収益を得ているのだろう?

彼らは去年から、スマートフォンに依存せず、どんな音楽にも対応できる、独立のハードウェアを開発していた。未だにその詳細は明かされないが、無料アプリはそのハードウェアの前宣伝、と考えているようだ。今はまだ、人の聴覚に周波数特性の違いがあることすら、知らない人が多いのだから。

SoundFocusはApple App Storeのここにある。今はまだ、iOSだけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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