人工知能でサイト改善提案「AIアナリスト」の開発元が3.5億円の調達、電通との提携も視野に

Google Analyticsをサイトに導入すると訪問数やコンバージョン率など様々なデータが取れる。しかし、情報が多すぎて、具体的にサイトの何をどう改善させたらいいか迷ってしまうこともあるだろう。「WACUL(ワカル)」が提供するウェブサイト分析の人工知能「AIアナリスト」は、Google Analyticsのアクセス解析を元に、課題発見から課題ごとの改善方針提案まで自動で行うサービスだ。本日、WACULは総額3.5億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。引受先は、電通デジタル・ファンドとジャフコの2社だ。

企業のマーケッターはサイトのパフォーマンスを改善するのに、Google Analyticsのデータを見て改善策を立案し、施策を実施した後は効果検証するといった一連の作業を行っているだろう。WACULのAIアナリストは、サイト分析からサイトの改善提案までを自動化する。またマッケッターがサイトの改善策を実施したら、その後のアクセス状況の効果検証までサービス内で把握できる。AIアナリストの利用料は月額4万円からだ。

WACULは、前職でユーザビリティコンサルタントを務めていた大津裕史氏が2010年9月に創業した会社だ。2015年6月にはジャフコより総額3億円の資金調達を実施した。AIアナリストは2015年4月にサービスをローンチし、登録サイトは9000を超えたそうだ。

今回の資金調達は、AIアナリストの開発を進めるとともに技術開発やR&Dに充てる考えだ。また、今回引受先に電通デジタル・ファンドが参加しているが、電通グループとは業務提携することも視野に入れているという。WACULはプレスリリースで以下のようにコメントしている。

「今回の電通デジタル・ファンドからの資金調達は、多くの広告・メディアに関する豊富なデータを持つ電通グループとデータ分析に強い弊社、両社の強みを活かした業務提携までを視野にいれています」

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TechCrunch Japan

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