人類の敵?, メールの返事が来るまで同じメールを何度でも再送するサービスRebump

メールはたぶん、人生の災難だ。とにかく多すぎるし、毎日しつこくひとのインボックスを勝手に填め尽くす、おばかメールの送り手に対する怒りは、いくら怒りの在庫があっても足りないぐらいだ。

電子メールというシステムが今やぶっ壊れているのは、誰かにメッセージを送るのがあまりにも安易にできて、それへの対応という仕事を相手側に作り出すからだ。相手に代わって何かの仕事をしてくれるわけではない。メールは瞬時にして相手の人生を不幸にし、送る側には費用も痛みも何も発生しない。

今日(こんにち)では、インターネット社会の常識として、メールに返事をしなければ、あなたのメールは返事に値しないと返事をしたことになる。それは実に適切だ! 返事をすべきメールなんてごくわずかだから、メールの総量が減ってくれるともっと好都合だが。

ところが、Rebumpというスタートアップはメールをさらに酷くする方法を見つけた。えっ、どうやって? Rebumpは、メッセージに返事をくれなかった相手に自動的に何度もpingする…もちろんメールで…サービスなのだ。この場合のpingとは、あなたがメールに返事を書き送るまで、何度でも同じメールを送ることだ。

それは、そのメールは読む価値があって返事をする価値があることを、暗に意味している。しかし実際にはほとんどのメールに、上記二つの価値はない。だから要するにRebumpは、返事を強制する受動的で攻撃的な頭の良い方法だ。メールが無視されるという点では受身だが、返事をするまで止(や)まらないという点では攻撃的だ。

同社自身は、サービスの仕組みを下図のように説明している:

これを見て、ぼくなんか、アタマにきてしまった。

たしかにこれは、確実に効果があるだろう。7回も来たら、それをいいかげん止(や)めさせたいので、ぼくだって返事を書くだろう。たぶん、礼儀正しく、「うせろ!」と書くだろうな。だからRebumpのサービスは、一部の人たちにとっては、とても有益かもしれないが、それがもたらす‘公害’として、ほかの人たちの人生の質を下げる。それは、人間性に対する犯罪だ。

メールに返事が来なければ、相手が今忙しいと思ってあきらめるのがベスト。とても重要な要件なら電話すればよい。こんなサービスを利用したら、相手のインボックスを一層肥大させるだけだから、確実に反感を買う。だから、逆効果だ。Redumpは自己のサービスを“フレンドリーなフォローアップメッセージ”と呼んでいるが、とんでもない。

フレンドリーどころか、Rebumpを使えばフレンドを失う。…と、フレンドリーにご忠告申し上げておきたい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。