仏ケータリングサービス大手Eliorが単一メニューデリバリーで成長中の仏Nestorを買収

企業・教育機関向け契約ケータリングサービスを提供するフランス発の多国籍企業Elior(エリオール)は、フランスのスタートアップNestorを買収したと発表した。買収額は非公開。Nestorは元々、DeliverooやUber Eats(ウーバーイーツ)などのフードデリバリー大手との差別化を図るため、シンプルなアイデアからスタートした企業だ。

当初このスタートアップは毎日、ランチに単一メニューを提供していた。その日のメニューが気に入れば、注文すると10分から20分後に配達されるというもの。単一のメニューを提供することで、配達員は1回の配車で複数の顧客に届けることができる。また、Nestorは自社のキッチンを運営することで、サードパーティーのレストランに支払う必要がなく、利益率を向上させることができた。

2016年に初めてNestorを取材して以来、同社は高い資本効率で、このユニークなサービスの提供に主眼を置いてきた。Eliorによると、Nestorは週1万食を達成したという。

ここ数カ月の間、Nestorはいくつか新しいサービスを展開しようとしてきた。例えば、企業は社員食堂をNestorに切り替えることができる。同社は、調理された食事を冷蔵庫に直接届ける。これは、食堂のようなサービスに焦点を当てたもう1つのフランスのスタートアップであるFoodlesを思い起こさせる。

Nestorはまた、クライアントとの大きな会議がある日のために、個別に包装されたランチボックスを届けることもできる。最近、Popchefもこの分野に注力するためにピボットした。

今回の買収により、NestorはB2B市場にますます注力することになる。Eliorはガラス張りのタワーに入居しているような大企業の数々と提携しているが、中小企業に対してオフィスに食堂を開設するよう説得するのは、かなり難しいことだった。

セールストークは、2文に集約することができる。Nestorのクライアントは、すべてが事前に調製されているので、自分のキッチンを持っている必要はない。そして従業員は、ランチタイムにDeliverooを見てハンバーガーやピザではないものを探さなくてすむ。

カテゴリー:その他
タグ:Eliorフランス買収フードデリバリー

画像クレジット:Markus Spiske / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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