仕事と家庭は両立できないのか?

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編集部記: Anand IyerはThreadflipのチーフプロダクトオフィサーを務めていた。それ以前は、Yahooに買収されたHitpostの共同ファウンダーでCTOを務め、またMicrosoftとIGN Entertainmentのプロダクトマネージャーでもあった。

私は2歳になる娘とより多くの時間を過ごすために職場を去った。もっと彼女と一緒にいれば良かったと、あとで後悔したくなかったのだ。それまで私は仕事と家庭のバランスを取ることができず、あまり誇らしくない生活を送っていた。

Pewによると、父親の46%は子供と時間を十分に取れていないと感じている。母親はわずか23%だった。父親は母親より子育てに関わる時間が圧倒的に少ない。父親は週平均7時間を子供と過ごすが、母親は14時間だ。母親の68%は子供たちと十分な時間を過ごしている感じているが、そう感じている父親はその半分にも満たない。

その理由は、母親と父親では仕事場で異なることを期待されていることが挙げられる。それぞれに期待されていることや固定観念を検討することで問題を明確にすることができるだろう。働く親としては、自らが率先して問題を見つけ、ワークライフバランスを整えることが必要だ。

バランスを早い段階から確立する

一般的に父親は子供と触れ合うのがうまくなく、子供との時間をあまり持ちたくないというイメージがある。「Fathering in the Workplace」で1000人の父親に対し行った調査によると、父親は1日平均2.65時間を子供と過ごしていることがわかった。私自身も仕事の日はだいたい2時間くらい娘と過ごしている。この調査結果では興味深いことが分かった。子供と多くの時間を過ごす父親の幸福度が高かったのだ。

お金で時間を買うことはできない。私たちはバランスを見出し、自身の生活にとって何が重要で、何のために努力をしているのかを理解しなければならない。Bleacher Reportの元CEOであるBrian Greyは、自身の仕事と家庭のバランスを早い段階から確立していたと私に教えてくれた。Brianは、子供がまだ眠っている早朝に起きて仕事をしたり、週末の朝に仕事をするようにしていたそうだ。

MayfieldのパートナーでStorSimpleの共同ファウンダーのUrsheet Parikhは、自社の従業員に対し6時には帰宅して家族と時間を過ごすことを推奨している。従業員の多くは、夜になったらオンラインで仕事を再開する。私がいたThreadfilpでも、娘との時間を過ごすために帰宅し、娘が眠りに着いた後、オンラインで仕事をしていた。娘が起きている時間帯を一緒に共有することができたので、このバランスは私にとって良いものであった。Splunkで働く私の妻も同じことをしている。

子供と一緒の時間を過ごすことが、子供の成長にとって良い影響があるのは驚くことでもないだろう。このOECDの調査によると、父親と過ごす時間の多い子供は認知テストに優れているといった結果は、それを裏付ける一例にすぎない。

ここにウィンウィンウィンの関係がある。父親が子供との時間を過ごすほど、父親は幸せを感じる。それが仕事の生産性の向上につながるのは目に見えている。つまり、雇用主にとっても嬉しいことであり、さらに子供も両親と過ごす時間が多いことで成長に良い影響があるのだ。

FacebookのCOOであるSheryl Sanbergは、世界有数の忙しい人であることは間違いないが、彼女は5時半には帰宅している。

育休休業と産前産後休業制度を利用する

アメリカは育児休暇制度が整備されていない4つの国の内の一つだ。新しく親となった人への政府からの支援も国別で最下位 だ。私は娘を病院から連れて帰ってきた日も仕事をしていた。私の妻は3ヶ月の休みの後、仕事に復帰した。

有給の育児休暇は親にとっても良いことでもあるが、雇用主にとっても良い結果をもたらす。この研究こによると、カリフォルニアの母親で産休を取った人は取らなかった人より1年後もその会社で働いていた割合が6%高かった。それに留まらず子供が生まれてから2年経つ頃には、産休を取得した人は取得しなかった人より多くの時間を働いていたことが分かった。

オバマ政権は国家公務員が子供を授かったときに、有給の育児休暇を取得できる権利を与えるという素晴らしい施策を行っている。Facebookが子供のお祝い金制度や家族が有給の育児休暇を4ヶ月分取得できるようにしたのはとても良い取り組みだ。テック系企業は、ほかの業界より福利厚生などの提供をうまく行っている。これを活用しない手はないだろう。少し立ち止まって、愛する人と大切な時間を過ごそう。

レッテルと性別におけるステレオタイプ

私の隣人や親戚は、私が娘との時間を多く取るようにしたら、わざわざ賞賛の言葉を伝えに来ることがあるが、その理屈を私は理解できない。なぜなら、彼らは妻が一人で娘を見ているときは、妻がかわいそうだと言うからだ。私と妻は困惑してしまう。私たちはただ、親としてできることをしているだけだ。

私は、娘との時間を取るために職場を去ったため、朝の時間帯に娘を公園に連れていくことも良くある。公園にいる大人の男性は私だけなので、他の母親や乳母に奇妙な目で見られる。Pewの調査には良いニュースが載っていた。均等になるには、まだまだ時間はかかるだろうが母親と父親の役割は徐々に近づいてきているようだ。

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サンフランシスコで働く親にアンケートを取ったとしたら、彼らは高い確率でGolden Gate Mother’s Groupという団体を知っているだろう。GGMGは高い効果を生み出している。しかし、他の地域よりも自由が確約されていると思われるこの土地の団体でさえも、この繁栄するコミュニティーに入れない人もいる。例えば、同性愛者の父親だ。これは何故なのか?

初めて親になるにあたり、私は妻に母親としての務めを行ってもらうことに期待していた節もあるし、妻が私に期待していたこともあるだろう。しかし、従来の性別における役割を基準として相手に何か期待するのは平等ではないし、現実的でもない。私がフルタイムで仕事をしている時、妻もまだフルタイムで仕事をしていた。私は5時半に家に帰って乳母と仕事を交代するのは妻の役割だと最初から決めつけていたのだ。

そして私は、妻にその責任の全てを負わせていたこと気づき、酷い気分になった。彼女の仕事も重要だ。今となってはさらに意味のあるものだ。彼女の仕事が押して時間通りに家に帰れないこともある。私は今フルタイムの仕事をしていないので、妻が仕事での責任と新しい家族を迎えたことによって増えた責任をうまくこなしていることを身近に感じることができた。その二つを両立させることはとても難しいことであり、私は会社のファウンダーとしてもさることながら、フルタイムで働いていたとしても、世界クラスの立派な父親になりたいと思ったのだ。

それは幸せなことなのか?

ダン・ギルバートの「Stumbling on Happiness(邦題:幸せはいつもちょっと先にあるー期待と妄想の心理学)」の本には、結婚生活における幸福度の推移を表したグラフがある。知らぬが仏だと思うのなら、目をそむけることをおすすめする。

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結婚生活の幸福度は、子供が大学に進学するまで次のピークを迎えないそうだ。だとしても私は、16年間も幸福度が下がり続けるのを放っておいたりはしない。幸福度を維持するために今から生活のパターンを変えるためにできることがあるはずなのだから。

私はソフトウエア開発者として、「retrospective(後ろ向き研究)」の手法を仕事で用いてきた。つまり、問題解決のために今まで起きたことのなかで、何が上手くいったか、何が上手くいかなかったか、前回のミーティングから何を改善すべきだったかを検討する手法のことだ。この手法により、全員の心を開き、物事を改善することが目標だ。そして妻がブルース・ファイラーのTEDでのスピーチ「Agile Programming for your family(家族のためのアジャイルプログラミング)」を聞いて感激した。

毎週20分間、家族とみんなが幸せに暮らすにはどうしたら良いかを考えるミーティングを行ったらどうなるだろう。もしかしたら、バランスが崩れている箇所を見つけだし、どうしたらそれを改善できるかが分かるかもしれない。ここでの最終的な目標は、自分が幸せでいるためには、何をすべきかを明確にすることだ。

私は自分が運に恵まれていること、そして時には立ち止まって人生という旅を楽しむことを忘れないようにしている。90年代の私は、夢を追いかける移住者だった。いつかシリコンバレーに移って、最新テクノロジーに関わる仕事をしながら、最愛の人と結婚し、家族を築くことを夢見ていた。とても幸運なことに私のその夢は実現した。私はワークライフバランスを整えることで、その夢以上のことを実現しようとしている。今すでに夢が叶えられていることはとても幸運なことだ。

私は全ての答えを持ってはいない。私は、先日BraintreeのGMを務める Aunkur Aryaと話した。彼も最近、子を持つ親となった仲間である。私たちはこのことについて広めていかなければならないと話した。手遅れになる前に、働く親が自らのワークライフバランスを整えるために実践できることを、私たちは今伝えていこうとしている。

そして、親となった人もそうでない人も、同じように尊重されるようにしたい。もうすでに仕事と家庭をどうにか両立されている人を心から尊敬する。

この投稿を書くのを助けてくれたExitroundの@tomiogeronに感謝。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook

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TechCrunch Japan

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