仕事の未来へようこそ

Marty Linn, General Motors manager of advanced technology and principal engineer for robotics, shakes hands with Robonaut 2 (R2), a humanoid robot developed by GM and NASA during a nine-year collaboration that also led to development of the RoboGlove, an exo-muscular device that enhances strength and grip through leading-edge sensors, actuators and tendons that are comparable to the nerves, muscles and tendons in a human hand. GM is licensing the RoboGlove intellectual property to Bioservo Technologies AB, a Swedish medical technologies company that will combine RoboGlove with its owner patented SEM glove technology.

【編集部注】著者のBrooks RainwaterはNational League of Cities(全国都市同盟)のシティソリューションおよび応用研究センターのディレクター 。共著者のNicole DuPuisはNational League of Cities(全国都市同盟)のシティソリューションおよび応用研究センターのインフラ担当シニアアソシエイトである。

情報技術、ロボット工学、人工知能の進歩が急速に進展する中で、現在労働力の転換が起こり、それが続いている。既に私たちが気が付いているように、現在の傾向が労働力の変化を不可逆的に加速させるときに、答えられなければならない疑問は、利益を広く共有し困難を和らげるためには私たちは何をすればよいのだろうか、というものである。

都市はしばしば、新技術が大量採用される際のトレンドサイクルをリードする。私たちは、新技術による失業が、新技術による革新と同じくらい古い話題であることを知っている。しかしながら米国の都市は、テクノロジーの成熟がローカル経済の全て、全ての労働者、そして全ての職業に多大な影響を与える時代に突入しているのだ。

自動化は技術革新の繁栄を支え、ビジネスにコストダウンをもたらすが、既存の仕事も変えてしまう。過去数十年にわたり、労働力の要素はますます自動化されるようになってきている。

最近は、食品サービスから工場のフロア、その他に至るまで、沢山の例を見ることができる。例えばEatsa人間とのやりとりが全く不要の新しいファーストフードレストランだ。客はタブレットを経由して注文し、用意された食品を壁に設置されたガラス棚から受け取るのだ。

Amazonのフルフィルメント・ウェアハウスではRobo-Stowを採用している。大きな在庫を動かす6トンのロボットアームと、Kiva Systemsが製造した箱移動ロボットたちが働いている。Kivaの導入以来、何かを見つけて箱に詰め出荷するまでの平均時間は1時間半から15分に短縮された。Amazonはまたその新しい Amazon Robotics部門を通して、自動化されたドローンと人工知能に多大な投資を行っている。

こうした初期の例は、エキサイティングなものではあるが私たちが失うものが自動化される仕事以上のものであることも明らかにした。多くの場合、企業は効率性の恩恵を受ける一方で、多くの消費者が依然として必要としている個人的な人間関係を失う可能性があるのだ。この方程式の人的側面はあらゆる理由で大切なものである — 仕事の中で最も重要なものだ。

プロジェクトに協力し、若いビジネスマン。

写真提供:Getty Images.

こうした中で、生計が危機に瀕している人びとがいる。過去20年間で、先進的なロボットが急速な技術の改善を受け、能力と可用性の両方が大きく変化している。学者たちは、2025年までに食品準備、ヘルスケア、商業清掃、そして老人介護の7から12パーセントのタスクがが商用ロボットによって実施可能になると予測している。

これが意味することは、高コストの都市化されたエリア ‐ ハイソで高給取りのホワイトカラーを既に引き付けている場所 ‐ における労働者階級が、更に追い詰められていくということである。それらの仕事の多くは自動化の煽りを受けやすく、私たちは多くの人たちが労働の場を離れ、都市の外に出ていくのを見送ることになるだろう。

労働者階級とサービス部門の仕事だけが、リスクに晒されているわけではない。人工知能と機械学習の進歩が「知識労働」の自動化をも可能にし始めているのだ。

進歩が現在のペースで進めば、2025年までに全世界で自動化ツールは、事務、顧客サービス、販売、教育、保健、科学技術、IT、財務、法律部門などに影響が及び、1億1000万から1億4000万人の人々の作業を行うことができるようになるだろう。

表面的な価値を見れば、これらの技術的進歩は非常に有意義であり、商業的相互作用に革命をもたらし、これまでとは異なる可能性を広げていく。

私たちにはまだ、オートメーション技術と人工知能が作り出す、新たな潜在的な仕事の種類はまだ分かっていない。それは技術を前にして想像を絶するものだ。しかし私たちは、訓練、教育を通じた準備と、究極的には柔軟性を奨励することが、私たちの都市での成功につながることを知っている。

人間とロボットが一緒に取り組んでいます。

写真提供:Getty Images.

私たちNLC(全国都市同盟)のFuture of Work報告書は、労働力の大きな変化に直面したときに抱える課題と機会について検討している。どこで、いつ、特定のジョブが消滅するかを予測することは困難だが、2025年以降に私たちが目にする仕事は、現在のものとは随分違っているものだろう。

ある者にとってはメリットは素晴らしいものになるだろうが、システムレベルでは課題はとても大きなものになるだろう。テクノロジーは、労働者間の不平等を悪化させ、経済のほとんどの分野に何らかの影響を与える。

これらの潜在的な緊張と激動は都市に集中するだろう。技術的実現可能性だけに左右されるわけではなく、自動化の採用は、技術のコスト、交換される労働のタイプ、そして重要な点だが社会的に受け入れられるかどうかに依存している。

これらの技術が仕事や仕事全体に取って代わるようになるにつれて、反応は楽観的な受け入れから怒り、欲求不満、さらには政治的な激変にまで及ぶようになるだろう。

社会への利益がより均等に分散する可能性があるのか、あるいは最近の歴史的傾向に沿って、収入ピラミッドの最上部に集中していくのか。私たちが行う政策の選択は非常に重要だ。

ネガティブな反応は、賃金や雇用を失う人々の間でより局所的に起きる可能性がある。一方で、ポジティブな反応は、より低い価格とより大きな選択の恩恵を受ける消費者の間で、より広範に広がる可能性がある。

私たちが政策上の解決策を模索しているところで、幅広い議論が始まる必要がある。これらは、ポータブルベネフィット(フリーランスのための持ち歩ける福利厚生制度の概念)から、労働力の再訓練、ベーシックインカムなどに及ぶ可能性がある。明日の労働力のために構築される、こうした種類の拡張された社会基盤は、これまでの職を失った労働者だけではなく、新しい方法で働く人々を支援するために必要となる。

同時に、この拡大された観点は、成長のための積極的な環境を作り出すことができる。これらの選択肢に焦点を当てることで、これらの急激な変化にただ流されて対応するのではなく、むしろ崩壊に先回りをすることができるようになる。

社会への利益がより均等に分散する可能性があるのか、あるいは最近の歴史的傾向に沿って、収入ピラミッドの最上部に集中していくのか。私たちが行う政策の選択は非常に重要だ。都市の指導者たちは、積極的に、公平さを第一の目標とする、より包括的なコミュニティを創造しようとしている。したがって、私たちすべてが、目の前に未来を早急に構築するのを手助けする場は都市にある — そしてそれを真に導くことが、指導者の責務なのだ。

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(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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