代替肉ミラクルミートのDAIZと物語コーポレーションが資本業務提携、代替肉メニューを焼肉きんぐなど国内外の店舗で展開

植物肉スタートアップのDAIZが18.5億円をシリーズB調達、国内生産体制強化と海外市場早期参入を目指す

発芽大豆由来の代替肉(植物肉)「ミラクルミート」を開発・生産するスタートアップ「DAIZ」は11月19日、物語コーポレーションとの資本業務提携を発表した。物語コーポレーションは、焼肉きんぐにおいて、ミラクルミートをベースにした新たな焼肉商材の共同開発とイノベーションを推進する。また、DAIZがミラクルミートを使用してレシピ開発した餃子・春巻きなどの商品を丸源ラーメンなど複数業態において展開を拡大させる。海外店舗においても、ミラクルミートを使用した商品の現地製造ならびに販路拡大を予定しているという。

物語コーポレーションは、国内において郊外ロードサイドを中心に「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」、中国・上海では「蟹の岡田屋総本店」「熟成焼肉 焼肉王」など国内外16ブランド595店舗を展開する外食企業。物語コーポレーションが掲げる中期経営計画「ビジョン2025」では、2025年期に「アジアにおける業態開発型カンパニー」として、グループ売上高1500億円(直近2021年期実績:959億円)を目標とし、既存事業の強化や新事業、新業態の開発を推進している。

DAIZは、独自技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)をコア技術とするフードテック領域のスタートアップとして、環境負荷が小さなミラクルミートの研究開発・提供を通じて、タンパク質危機や地球温暖化の解決の一助となることを目指している。より多くの消費者へ、新たな肉として代替肉の認知向上を図り、サステナブルな食文化の啓蒙をするべく、今回の資本業務提携に至った。

SDGs(持続的開発目標)達成に対する取組みとして、地球環境に配慮した商品ニーズに対応するべく、環境負荷の小さミラクルミートを使用した新商品開発および販売を拡大させる。また「環境」「飢餓」などの課題解決に、より積極的に取り組みを推進するという。

DAIZによると、従来代替肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、味と食感に残る違和感、大豆特有の青臭さ・油臭さ、肉に見劣りする機能性(栄養価)の点で課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていたという。

これに対してDAIZの代替肉ミラクルミートは、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みをなくし、異風味を低減した。また、味や機能性を自在にコントロールする落合式ハイプレッシャー法で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。この発芽大豆を、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力・食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減したミラクルミートを製造しているという。

代替肉ミラクルミートのDAIZと物語コーポレーションが資本業務提携、代替肉メニューを焼肉きんぐなど国内外の店舗で展開へ

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TechCrunch Japan

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