企業にとってFacebookデザイン改訂の意味は、広告の大型化とページフィードの顕在化。しかし「友達のみ」のセクションも

Facebookが今日(米国時間3/7)大々的に発表した新しいニュースフィードでは、ユーザーの写真が大きくなったが、ニュースフィード中の広告も大きくなる。「われわれはユーザーがフィード内で見るあらゆるコンテンツを、今まで以上に没入的にする。これはあらゆるものが対象であり広告もそこに含まれる」とFacebookの製品デザイン責任者、Julie Zhuoは言った。Facebookページは「フォロー中フィード」のおかげでペーシビューが増えるかもしれない。しかし今回Facebookには、「Facebookページのない」フィードもできた。

Mark ZuckerbergをはじめとするFacebookの幹部らは、プレゼンの中で広告に関して一切言及しなかった。話をしたのは、Q&Aセッションで質問された時だ。

しかし、このデザイン変更が広告主に影響を与えるのはこの部分だ。FacebookはUIを整理整頓して、中央のフィードで多くのスペースを写真に与えた。企業は写真を載せたフィード広告を買えば、その写真も大きく表示される。これには、大型のホームページ全面広告や高級雑誌の広告を使い慣れている高級ブランドを呼び寄せる効果がある。

Facebook以外のウェブサイトは、自分たちのコンテンツを見せびらかす良い機会を得ることになる。Facebookは、Pinterestからシェアされたコンテンツが豪華に表示されるところを披露したが、これはこの画像共有サイトにとっても、そこからトラフィックを誘導されるEコマース店舗にとっても有難いはずだ。Zuckerbergは、Quoraをはじめ他のサイトにとっても後押しになるだろうと言った。シェアされたリンクに表示される抜粋が以前より長くなるため、内容のある優れたサイトは恩恵を受けるが、人々が勘違いしてクリックすることを狙った釣り見出しにとっては不利になるだろう。

Pinterest Share

さらにFacebookは、ユーザーが様々なコンテンツ別フィードを選べるようにした。これは、ユーザーがどのフィードを常用するかによって、ビジネスページやプロのライターを有利にも不利にもする。Facebookページのみの「ページフィード」は、格上げされて「フォロー中」フィードに名前が変わった。ここには、ユーザーが「いいね!」を付けたFacebookページやフォロー中の著名人の最新情報が流れてくる。これは、Facebookページやプロのコンテンツ制作者にとっては有利だ。なぜなら以前はFacebookが標準ニュースフィードをフィルターする方式のために、最新情報の一部しかユーザーの目に触れなかったからだ。これで情報に貪欲な人々にとっては、効率よく記事を見つける方法ができた。

一方で、Facebookの中にFacebookページや著名人の入り込めない領域もできた。友達のみフィードは、企業にとって特に問題だ。もしユーザーがこれを常用すれば、企業ページへの関心を表すために気軽にいいね!を付けたり、サードパーティーをパーソナル化したりしても、それらの記事をフィードで見なくてもよくなる。

全体で見れば、ユーザーにとっては選択肢が増えただけだ。企業発のコンテンツを見たければ、以前よりも簡単にそれが可能になった。見たくなければ、スキップできる。企業にとって後者は好ましいことではないかもしれないが、今回の改訂は人々がサイトで過ごす時間を増やし、Facebook体験全般を向上させる。これは、日々そして今後何年にも渡って、企業がユーザーに売り込む機会が増えることを意味している。、

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(翻訳:Nob Takahashi)

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TechCrunch Japan

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