企業のデータフローを可視化するSatori Cyber​​が約5.8億円を調達

企業が保存するデータの量と拠点が急速に拡大するのに伴い、アクセス権を持たない人がデータにアクセスしてしまうリスクも大きくなっている。多くのスタートアップがデータ保護の観点からクラウドとオンプレミスサーバー間のデータフローに注目していることは驚きではない。データの保護とガバナンスを担うSatori Cyber(サトリサイバー)​​は 12月17日、YL Venturesがリードするシードラウンドで525万ドル(約5億8000万円)を調達したことを発表した。

「当社は、ビジネスに革新と競争優位をもたらすデータの変革力を信じている。データを推進力とする組織は、チーム、パートナー、顧客など多様な利用者を想定してデータへのアクセスを最適化しようとする。クラウドデータテクノロジーを活用する企業は特にそうだ。その際に直面するセキュリティ、プライバシー、運用上の課題を当社は理解している」。

Satoriは12月17日にステルスモードを解除し、最初の製品であるSatori Cyber​​ Secure Data Access Cloudを発売した。これは企業向けのデータアクセス制御ツールで、利用する企業やそのセキュリティチームがクラウドとハイブリッド環境全体のデータフローを可視化できる点が特徴だ。同社によるとデータは「動く標的」だという。データがサービス間をどのように移動し、誰が実際にアクセスできるかを把握するのが難しいからだ。現在、ほとんどの企業は多数の拠点にデータを分割して保管しているため、この問題は時間とともに拡散し、可視性を保つのが難しくなる。

「これまで、企業のセキュリティチームは、データアクセスを高度に分離制限するとともに、各データストア内で一時的に使える特定の技術に依存したアクセス制御を行っていた。ただ、これは企業内のプロセスをスローダウンさせるだけだった」とSatori Cyber​​のCEO兼共同創業者であるEldad Chai(エルダッド・チャイ)氏は「Satori Cyber​​のプラットフォームはこのプロセスを合理化し、データアクセスを加速し、組織全体のデータフロー、データストア、アクセスに関する全体像を提供するだけでなく、きめ細いアクセス制御も可能にし、より制約の少ない環境で組織のデータ戦略を支援する」と述べた。

チャイ氏とCTOのYoav Cohen(ヨアブ・コーエン)氏の2人の共同創業者は以前、ImpervaとIncapsula(2014年にImpervaを買収した)で9年間セキュリティソリューションの開発に携わっていた。その経験から、簡単に導入できてわかりやすい操作が必要なことを理解していた。「SatoriのSecure Data Access Cloudはそれらの点を念頭に置いて開発し、企業への導入プロセスを迅速かつ簡単にできるよう設計した。Satoriの導入ではホスト名を簡単に変更できる。データへのアクセス方法や使用方法を変更する必要もない」と説明した。

画像クレジット:John M Lund Photography Inc / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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