企業内でのデータコラボレーションを提供するData.world

大きな組織内のデータのための、一種のFacebookのようなツールを想像して欲しい。そこではデータを扱うプロジェクトやチームを結成したり、データセットをアップロードして共有したり、生のデータや分析結果をコミュニティ環境の中で同僚たちと議論することができる。それこそが、オースティンのスタートアップであるData.worldが、本日(米国時間3月6日)発表したものだ。

データは大部分の現代的組織にとっての生命線であり、Data.worldはそこで、データをソーシャルネットワークと組み合わせるツールを構築しようとしている。それは、さまざまなレベルの能力と理解度を持つユーザーたちのコミュニティが、データセットとモデル上で共同して作業できる場所を提供する。

「私たちが解決しようとしているのは、ネットワーク時代に住んでいるのにもかかわらず、データ同士が極端に断絶している状況です。世界の多くのデータは孤立した状況にあり、たとえ見つけても理解しにくいものなのです」とTechCrunchに語るのは、Data.worldのCEOで共同創業者のBrett Hurtである。Hurtと彼の共同創業者は、ツールチェーンから切り離されたデータを見て、それが生産性の大幅な低下を引き起こしていると考えたのだ。

同社はもともと、オープンコミュニティとしてData.worldを構築していいたが、同時にデータサイエンティストとデータアナリストがしばしばお互いに分離されている、大規模な組織内でのプライベートコミュニティの必要性も認識した。「私たちは、今がエンタープライズ版を提供するのに良いタイミングだと感じました。私たちは、ユーザの皆さまがソーシャルスタイルで作業し、データに対する皆の力を結集できる、最高のデータコラボレーション機能を構築しました」と彼は語る。

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彼らが構築したエンタープライズ向けプロダクトは、データに関心があり、それらに対してデータギークたちが使う一般的なツールを適用する方法を必要としている人びと同士をつなぐものだ。その目的を果すために、Data.worldのエンタープライズエディションは、Tableau、Microsoft Excel、そしてPower BI、IBM SPSS、MicroStrategy、Google Data Studio、そしてR、Python、果てはIFTTTとも接続を行う。

エンタープライズプラットフォームを利用している顧客の1つがAP通信だ、同社はData.worldを使って、データを様々なニュースルームのメンバー組織たちと共有し、レポーターたちが記事の品質を向上させるためにより効率的に使えるようにしている。

同社はまた、オバマ政権時代に米国政府のチーフ・データ・サイエンティストを務めたDJ Patilが、同社の取締役会に加わることを発表した。Data.worldは2015年に創立され、2度のラウンドで約3300万ドルの資金調達が行われた。最も多額だったラウンドは2017年に1870万ドルを調達したシリーズBである

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: APING VISION / STS/GETTY IMAGES

投稿者:

TechCrunch Japan

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