企業向けソフトSageが小売管理プラットフォームの英Brightpearlを買収

企業向けソフトウェア大手のSage(セージ)は、英国ブリストルを拠点にクラウド小売管理プラットフォームを手がけるスタートアップ企業のBrightpearl(ブライトパール)の残りの株式を、3億4000万ドル(約389億円)で買収する。Brightpearlは、小売業の顧客にSaaSベースのオペレーティングシステムを提供することで、リアルタイムのビジネスインサイトを可能にする会社だ。

Sageは、英国のシリーズA投資家であるMMC Ventures(MMCベンチャーズ)が2014年に支援したBrightpearlの17%を以前から保有していた。このスタートアップ企業はこれまで、2018年に1500万ドル(約17億円)、2016年に1100万ドル(約12億6000万円)を調達している。

Sageがまだ所有していなかったBrightpearlの83%の対価は、2億2600万ポンド(約347億円)と見られ、Sageは既存の現金および利用可能な流動資産からその資金を調達することになる。

BrightpearlのCEOであるDerek O’Carroll(デレク・オキャロル)氏は次のように述べている。「2つのチームが一緒になることで、Brightpearlの小売業界における強みと、Sageの規模、ブランド、財務の専門知識を結びつけることができます」。

Sageは声明の中で、2021年12月期のBrightpearlの年間売上高は2000万ポンド(約30億円)と、前年比で約50%の成長が見込まれ、営業利益は損益分岐点レベルに達すると述べている。

今回の買収は、米国のHart-Scott-Rodino Act(ハート・スコット・ロディノ法)に基づく規制当局の許可を得られれば、2022年1月に完了する予定だ。

Sageの最高経営責任者であるSteve Hare(スティーブ・ヘア)氏は、次のようにコメントしている。「Sageの目的は、すべての人が成功できるように障害を取り除くことです。SageとBrightpearlが一緒になれば、小売業者や卸売業者を阻む障壁を取り除き、システムを合理化して成長に集中できるようになります。Brightpearlの経営陣や従業員をSageに迎えることができてうれしく思います。また、戦略的優先事項をともに実行し、加速的な成長を実現することを楽しみにしています」。

元共同創業者のAndrew Mulvenna(アンドリュー・ムルベンナ)氏は、LinkedIn(リンクトイン)に次のように書いている。「14年前、Chris Tanner(クリス・タナー)氏と私が、すべての小規模小売業者がデータとワークフローをデジタル化し、オムニチャネル・リテールを導入して、明日のサクセスストーリーの1つになることを支援するというビジョンのもとに事業を起ち上げたときに始まった章が、すばらしい形で幕を閉じます。私たちのCEOであるデレク・オキャロル氏とそのチームは並外れた存在であり、他にも言及しきれないほど多くの人たちが関わっています。現在の成功には、彼らの功績も大きく寄与しています」。

画像クレジット:Brightpearl Team

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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