会話型アプリケーション開発のためのAIプラットホームをCiscoがオープンソース化

通信機器大手のCisco(シスコ)は米国時間5月9日、会話型のAIプラットホームのMindMeldをApache 2.0のライセンスにより、誰もが自由に利用できるように一般公開すると発表した。

MindMeldは、Ciscoが2017年に買収した会話型AIの企業だ。同社はその年の終わりごろに、その技術をCisco Spark Assistantに使用して、ミーティング用ハードウェアで音声コマンドが使えるようにした。当時それは、生まれたばかりの新しい技術だった。

現在、エンタープライズのいろんなユースケースに音声を持ち込む取り組みが至るところで行われており、CiscoはMindMeldのツールセットでデベロッパーにそのための方法を提供している。Ciscoで機械学習のチームを率いているKarthik Raghunathan氏が、ブログでこう書いている。「本日Ciscoは、MindMeld Conversational AI Platformをオープンソースにすることによって、会話型アプリケーションを構築するための総合的で実践的なツールでデベロッパーの能力を高めるための、大きな一歩を踏み出す」。

同時に同社は、デベロッパーにとってそのプラットホームが使いやすくなるための教本、Conversational AI Playbookをリリースする。このステップ・バイ・ステップのガイドブックによりデベロッパーは、会話駆動型アプリケーション開発の、第一歩を踏み出すことができる。Ciscoによると、デベロッパーに力をつけることが最大の目的とのこと。

しかしもちろん、Ciscoの外にいるデベロッパーがこのツールセットを使ってくれることが、同社の最大の関心だ。オープンソースにすれば、Ciscoの顧客やそのほかの企業にいるデベロッパーのコミュニティが、このツールを使ったり、試したり、改良したりしてくれるだろう。それによってプラットホームの開発が早くなり、より広範囲に行われるようになる。Ciscoのような大企業では、全社的な浸透も可能になるだろう。

もちろん、オープンソースにしたらいきなりコミュニティができるわけではない。しかし、音声対応のアプリケーションやシステム製品はその人気が急速に成長しているから、このプラットホームを試してみるデベロッパーが増えることは確実だ。どれだけの人に、より深い関心を持ってもらえるか、それは今後のCiscoの努力次第だ。

Ciscoはこのプラットホームのすべてを、同社のデベロッパーネットワークDevNet上で今日から提供開始する。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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