信用スコアを飲食店で活用、高スコアなら手厚いおもてなし——テーブルチェックが独自機能開発へ

2019年に入ってもPayPayOrigami Pay楽天Payメルペイと昨年に続き決済サービス関連の話題が熱い。

日本国内でキャッシュレス化が進みオンライン上での取引が加速するようであれば、そのデータを活用した“信用スコア”への注目度が今まで以上に高まるかもしれない。

信用スコアと言えば、アリババグループのアント・フィナンシャルが展開する「芝麻信用(ジーマ信用、セサミクレジット)」が事例として紹介されるケースが多い。日本でもソフトバンクとみずほ銀行の「J.Score」を筆頭にLINEヤフードコモなどがこの領域に関する取り組みを発表している。

今回紹介するテーブルチェックの新たな動きもこの信用スコア絡みのものだ。同社は1月29日、飲食店利用ユーザーの評価を可視化する「TableCheck カスタマースコア」の構想を発表した。2019年より数店舗で同スコアの有効性の測定を開始し、春以降のサービス提供開始を目指すという。

信用スコアは、オンライン上に蓄積された行動データやユーザーが任意で入力した個人データなどから各ユーザーごとの信用度をスコアで示す仕組みだ。

たとえば上述した芝麻信用の場合は「アリペイ」を含むアリババグループのサービスに貯まったデータなどから各ユーザーのスコアを算出。スコアが高ければ日常的に使うさまざまなサービスで優遇が受けられる。通常であればデポジットが必要なサービスをデポジットなしで利用できたり、サービスの利用料が無料になったり、クーポンをもらえたりといった形だ。

TableCheck カスタマースコアでは、テーブルチェックが手がける飲食店向け予約顧客管理システムの「TableSolution」やユーザー向けのネット予約サービス「TableCheck」を通じて得られたデータなどを用いてスコアを出す。

同社の主力サービスであるTableSolutionは有名ホテルレストランなど世界17ヶ国、約3100店舗の飲食店で導入。予約状況、席数、立地、売上、時間ごとの稼働率、キャンセル率といった店舗に関する情報や、それに紐づくユーザーの検索から予約、来店、会計、退店後までの行動データなどがスコアの基になる。

スコアが高いユーザーは人気飲食店の特別席への優先案内や先行予約を含む“手厚いおもてなし”を受けられるようになり、飲食店としては無断キャンセルの抑止に繋げられるほか、マナーの良い顧客に対して質の高いサービスを提供することにも役立てられる。

テーブルチェックとしてはこのスコアを飲食店とユーザーに公開することで、無断キャンセル・ノーショー問題の解決やサービス品質の向上、限定特典の提案などに活用したい意向。まずは自社で保有するデータの解析を行いながら飲食店や外部企業との実証実験などに取り組み、スコアの有効性を測定するところからスタートするという。

投稿者:

TechCrunch Japan

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